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サヨに彼女の追跡をお願いしてから2週間サヨは踏切にこない。
サヨはきっと彼女に何かを聞いたはず。なんでサヨがここに来ないか、疑問が残る。
病気かな、忙しいのかなぁ。所詮他人事、伝えずらい結果だったのか。
そんな事を考えながら、僕は今日も人波を眺めてはため息を零す。
彼女に出会ってから、この景色の見方も変わっていった。常に彼女の姿を探している。
踏切に人が溜まり、踏切が上がると人混みの中から彼女を探し、過ぎていく電車の中も目で追ってしまう。
サヨが来なくなって3週間がたった。
「お兄さん」振り返ると、髪の色を薄いピンクに染めたサヨが立っていた。
「サヨちゃん、髪の毛ピンクに染めたんだね、似合ってるよ」
「ありがとう。。。」
僕は時が空いたせいか、あの日の事を聞けずにいた。僕はまた、踏切を眺める。
「あのね。。。あの人、お兄さんの元カノかもしれない」
「え?」
「でもお兄さんがここにいる事信じてくれなくて、来てくれないと思う。」
僕は記憶を振り絞り辿った、制服姿の彼女。
「名前は。。。えーっと」
「ハルナ」「ハルナさん」サヨとハモった。
「ドンピシャ、元カノだね」サヨは小さく呟いた。
「ごめん、私も電車で話しかけたから、変に思われたのかもしれない。」
「サヨちゃんは悪くないよ、名前が出てきただけでも、少しスッキリした、ありがとう」
サヨは走ってホームに向かうとホームから手を振り電車に乗っていった。
「ハルナ、高校生の頃の彼女だ、なんで別れたのか思い出せない。」
数年ぶりにここで再開し、ハルナを探しているうちに気持ちは当時のままだと認識してしまった。
「今もまだ、ハルナのことが好きなんだ。」