「…カゲ。」
ヒサが俺の裾をぎゅっと掴んだ。
俺は「ヒサ……?」
と言ったそしたらヒサが何かを見せてきた。手のひらにはゴムがあった。
「!?」
俺はびっくりした。何て言ったってアレだからだ。
いや、あの時ショップで…買ったんだっけ?
考えているうちに一昨夜を思い出した。
それは一昨夜の話だった。
ゲームをしていて俺はそれに負けてしまった。
その時に確かヒサの友達のミキが俺にソレをおすすめしてきたんだ…。
「あ…。」
思い出す耽美に俺は頬が赤くなっていく。
「カゲ!」
「おわっ!」
ヒサが急に大声で俺を呼んだ。
「カゲ、聞いて…るの?今日…さあ、いきなり…だけど、
一緒に温泉い…こ?」
「はぁ!?」
何で急に温泉なんだよ!
ヒサがそんなこと言ってびっくりしたがまあ無理もない。混浴じゃないだろうから。
~湯~
「えーっと男湯……と。」
俺が周囲を見渡した途端ヒサが俺の裾を握った。
ギュッ
「……ヒサ!?」
「男湯なんかない。だって、見て?混浴。」
「ふぁっ‼?」
俺はまたもやびっくりした。全体を見渡すと男湯に女湯がない。
「……」
「カゲ。入るよ。」
ヒサの答えに何か違和感があるが、見た目もどこも普通のヒサだ。
って何見てんだ俺。
「着替えるときは見ないでよ。」
ゴム持ってるんだから絶対後でやるって。絶対。
「はいはい。」
二人は背中を向けながら着替えた。
着替え終わった後、入ろうとしたとき俺は見てしまった。
ヒサの胸を。
「な、何よ//」
「い、いや////」
入ろうと思い、入り口のドアを開けたら湯船が普通に透明だった。
_やらかした、
俺、絶対見てしまう。
ヒサは先に済ませるのかそのまま洗いに行く。
「……ヒサ!」
「ん?」
あ。
ヒサのタオルがするっとめくれ落ちてしまう。
「……」
「……」
ヒサの悲鳴と俺に向かってビンタしてきた。
「それを言おうと思ったんだって!」
あーもう!
俺も恥ずかしくて見れねえよ!それにゴムはいつ使うんだよ!
「あ、あのさ。カゲ、」
「んだよ……」
「し……よ?」
第一話終わり
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