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「どうぞ。」
「やっぱり、奏の部屋は綺麗だね。」
綺麗に片付けられていて、なんだかドキドキしてしまう。全部自分でやっているんだろうな…
「僕のベッドはキングサイズだから一緒に寝られるね。」
ベッドの上で横になって私を手招く。彼の側によりベッドに腰を掛けると、身体を抱き寄せられた。
「花月、今日はいつも以上にいい香りがするね。シャンプー変えた?」
「え……?みんなと同じシャンプーのはずだけど…。そんなに匂うかな、私。」
「とってもいい香り…。ほんと、食べちゃいたいくらい。」
「え、ちょ…奏…?」
有無を言わさずベッドの上に押し倒される。
目の前には目を青く光らせた奏の顔。
「奏、目の色が…。」
「あ~あ、気づいちゃった?俺、すごく喉が渇いてるんだよね…血、もらってもいいよな?」
先ほどまでの口調とは裏腹に勢いよく私のシャツを引ちぎる。
「君は俺たちのものだ。全てを俺の色に染め上げたいよ。」
荒い呼吸、太刀打ちできない力。怖い…こんなの、奏じゃない…
「なんで嫌がるの…?これからイイことするのに…。」
「…れか、助け…。」
思い切り突き飛ばし部屋を飛び出す。
早く、誰かに言わなきゃ…あの青い瞳は…雪乃を…私の家族を…屋敷を壊した吸血鬼に似ていた。
「きゃっ…。」
勢い余って階段から転げ落ちる。
体中が痛い。駄目だ…恐怖で力が入らない……。
「まったく、騒々しい。何の音…どうしたんですか!?」
「悠夜さん…奏が…青い瞳の…。」
「奏ですか?奏なら先ほどから大広間にいますが。」
え…?なんで奏が下にいるの…?だって、さっき部屋に…
「もう、花月ったら、そんなに僕のこと好きなの?」
「なんでここにいるの…?だってさっき奏の部屋にいたんだよ、奏が…。」
「僕の幻を見ちゃうなんて花月はかわいいな~。」
じゃあ、さっきの奏は…誰だったの?
「階段は走ったら危ないからね。ほら、手当てしてあげるからおいで。」
奏がそう言った瞬間目の前が歪んで見えた。心臓の鼓動が大きく聞こえる。頭がくらくらする。
「痛い…。」
「ほら、階段から落ちたから捻挫してるかも。立てる?」
「ちが…う…足じゃなくて…首が…熱い。」
「首…?なに…この赤い跡。とりあえず大広間に運ぶから暴れないでね。悠夜、手を貸して。」
「わかりました。」
そう言い私を抱き上げ運んでくれた。