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「りょうちゃん怒ってる?」
もときが線香花火の用意をしながら不安そうに聞いてくる。
僕のマンションの屋上は許可を貰えば花火ができる。
真夜中に突然もときが家に来て「花火がしたい」と言い出したのだ。
「怒ってるって何に?」
これだけ長く側にいてももときの気にしすぎな性格にこっちが心配になる。
すると、もときはムッとした表情で
「わからないならもういいよ」と拗ねた。
「ごめんね」と僕はもときの頭を撫でる。
「子供扱いすんなよっ」
拗ねているもときが可愛くて僕は微笑んだ。
僕の手を振り払ったもときの頬が恥ずかしそうに赤らんでいた。
それでも花火がしたいようで、もときが調子の悪いチャッカマンと格闘している。
「ねぇもとき、何でそんなに線香花火したいの?この間MVの撮影の時に3人でやったばっかりじゃん?」
「はい出た、鈍感!」
と、もときは黄色い線香花火を僕に渡す。
「りょーちゃん、あれはあくまで仕事でしょ?俺は2人で花火がやりたかったの」
「若井と楽しそうに2人でやってたじゃん」
「だから、りょうちゃんとは仕事でやりたくなかったの!」
「あ…そうゆうこと?」
「りょうちゃん、ホントに俺のこと好き?」
しゃがんでいても背の低いもときは僕を見上げて話す。
花火を手に持ちながら、僕をじっと見つめる目が潤んでいて妙に艶っぽい。
僕はつい「ほんと、もときって可愛い顔してるよね」ともときの頬を両手で優しく包んでおでことおでこをくっつけた。
「ねーりょうちゃん、可愛いって言えば俺をごまかせると思ってない?」
「だって可愛いんだもん」
「じゃあ好き?ちゃんと言って」
不安げに潤むもときの瞳に吸い込まれるように僕はもときの唇に自分の唇を重ねた。
「あ…」
もときの声が漏れる。
そのまま僕は舌を入れると、もときの舌に絡める。
「りょうちゃん…」
と紅潮した顔で言いながらもときが僕の上唇と下唇を優しく交互に食むと、さらに奥に舌を入れてくる。
しつこいくらいに僕らはキスを重ねて貪った。舌と舌を舐め合いながら。
「ちょっ…ちょっと!りょうちゃんストップ!」
息があがったまま僕の胸を押して、もときが言う。
「キスでごまかさないでちゃんと答えろよ」
「好きかどうか?」
「うん…」
わかりきってるじゃん…
「もとき、俺怒ってたかもね。」
「え?」
「お前が若井と2人で花火したこと。仕事とはいえね…」
「嫉妬したってこと…?」
「うーん、まぁ。でもいちいちそんなこと気にしてたらね」
「りょうちゃん!」
すると、もときが僕に力強く抱きついてきてしゃがんでいた僕は勢いで芝生に押し倒された。
「あっぶなぃよ!もとき…」
僕は芝生に寝そべったまま、もときは僕の首筋に舌を這わせてきた。
「ちょっともとき…花火…は…」
「りょうちゃん、うれしいよ。もっと俺のこと好きになってさ狂ってよ。嫉妬して俺を束縛してよ…」
言い終えるともときが僕の首元を強く吸った。
「は…っ…そんなことしてたら仕事にならないじゃん…でも…」
「でも何?りょうちゃ…」
「ねぇ、首に跡が残るよ?」
「いいの。りょうちゃんが俺のものだって印。誰にも取られたくない…りょうちゃん…俺だけのものになって…お願い…」
いつもはあんなに強気なのに…
僕なんかに愛して欲しいと懇願するもときは、母親を求めて泣く子供のようで放っておけない。
「もとき、ちゃんと好きだよ。俺はどこにも行かない。ずっと側にいるよ」
「りょうちゃん…」
ふと僕の首元を見ると真っ赤なキスマークが出来ていた。
「もとき、どうすんのコレ、明日仕事だよ?」
「衣装で隠せばいいでしょ」
押し倒された僕の股間にちょうどもときの固くなったソレが当たる。
「もとき、したくなった?」
「そりゃそうだよ、いつだってりょうちゃん見てたらえっちしたくなるよ…」
「上脱いで?もとき」
「えっ?このシャツ?」
もときは最近お気に入りの白いシャツを着ていた。
「りょうちゃんに脱がされたい…」
「いいよ」
俺はもときのシャツのボタンを一つずつ外していく。
胸元がはだける。
胸の突起部分が見えるといやらしくて、僕の股間も興奮してきた。
「もとき、可愛い…」
「あ…」
俺は胸にキスして強く吸った。
「あ…やめてりょうちゃん…気持ちい…」
なまめかしいもときの声が余計に僕を興奮させる。
もときの固くなったモノを僕は左手で優しくなぞる。
「あっ…無理、はぁっ…りょうちゃん…大好き…」
俺はキスマークをつけると唇を胸から離して言った。
「俺も大好きだよ、もとき」
「りょうちゃん…えっちしよ…」
僕にギュッと抱きついてもときが言う。
「花火は?」
「また今度でいいよ…早くえっちしたい…」
勝手だなぁ。
まぁ俺もこの可愛いもときを見ていたら我慢の限界なんだけど。
「あ!りょうちゃん、俺の胸のとこすごいキスマークつけてんじゃん」
「見えない場所だからいいでしょ?」
「別に…見える場所でもいいのに。俺はりょうちゃんのものだよって自慢したい」
「ふ…もときの独占欲異常だよね?」
俺は笑いながら言う。
「りょーちゃんがドライすぎんの」
本当はね、そんなことないよ。
もときがいつか僕の側から離れていくんじゃないかって…不安に思っている弱い男だよ。
いくら若井でも仲良くしていたら嫉妬してる。
みっともないから見せたくないだけ。
もときの胸元に俺がつけた跡がずっと残ればいいな。
それぐらいには俺ももときに狂っている。
「りょうちゃん、早くえっちの続き…」
恥ずかしそうにもときが目を伏せて言う。
「うん、じゃあ俺の部屋行こ」
ふと屋上から見たビル郡にはたくさんの窓に灯り。
これだけの人が住んでいるこの街で
君に出会えた奇跡
本当に感謝しながら
今夜の想いも
君のこともずっとずっと大事にしたい
一生消えないキスマークを君に刻めたらな、なんて僕の愛が暴走してること
君にはまだ
知られたくない。
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