遠目でもすぐにわかる存在感に怯む気持ちは、一切なかった。
勇み踏み出した靴先が、砂利を蹴った。
眼前に現れた姿を見て、天羽が僅かに目を瞠り、次いで、愉快そうに瞼を弧に下ろす。
「まさかそっちから来てくれるとは、驚きだな。――村尾」
「待ち伏せはお互い様ですから、謝りませんよ」
「もちろん、そんなものは必要ない」
笑みを浮かべたまま頷いた男に、眉を顰めると、
「何でもすぐに謝罪するやつは面白くない。それ以上、下に下がってどうするんだろうな?」
心底、不思議そうに問いかけた。
まるで子供が見たもの全てに疑問を抱くような、そんな純粋さに似ていて、気づいた途端、薄ら寒さが背筋を這った。
「まあいい。……場所を移そうか」
天羽はそう言って、躊躇う素振り一つ見せずに、目的地を定めて歩き出した。
オ*****
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