俺は大好きだった人に想いを伝えて
この恋を終わらせようとしていた。
ぺいんと)しにがみ君!今日の放課後用事ある?
しにがみ)いや無かったと思います!
ぺいんと)じゃあ〇〇教室来てくんない?
しにがみ)そこって誰もいなくないですか?
ぺいんと)いないから良いの!!じゃ!!
しにがみ)あっはい!!
しにがみ君とこうして楽しく会話できるのも、
どうせ今日で終わりだ。
ここまで毎秒1人の人間を想ってるのは、
人生をかけてるから。
しにがみ君の為に生きてるって言っても過言じゃない。
しにがみ)ぺいんとさん遅いなぁ
しにがみ)用事でも出来たのかな?
ぺいんと)悪ぃ!ちょっと先生に呼ばれて遅れたわ!
しにがみ)何だそんな事だったんですね笑
しにがみ)それで何するんですか?
ぺいんと)…。
ぺいんと)あのさ、
ぺいんと)俺がしにがみ君を好きって言ったらどうする?
しにがみ)…。
ぺいんと)普通に同性からの告白とか振るよね(苦笑)
ぺいんと)ごめん変な事言って💦
ぺいんと)じゃあな。
しにがみ)あっぺいんt…
ガチャ
しにがみ)ぺいんとさんからの告白なんて…
しにがみ)振れるわけないじゃん…😭
ぺいんと)先生屋上の鍵を借りに来ました…
△△先生)おぉぺいんと、はい鍵だ
ぺいんと)ありがとうございます(。・‧̫・。)
ぺいんと)では、また…あしt…またいつか!(*^^*)
△△先生)また明日な!
俺は先生に「また明日」って言えなかった。
どうせすぐ後にはいないから。
あぁこんなことになるなら親孝行してれば良かったな…
しにがみにもしっかり告白すれば良かった。
何であそこで強がって遠回しに言ってしまったんだろう。
まぁこんな事しないで早くいこう。
ぺいんとさんはどこ…?
返答してないんだよ…
また気まづい関係になっても僕は…
ぺいんとさんを思い続けるんだからさ、
一言だけ。
たった一言。
「僕も好きでした」
これだけを言わせて欲しい
しにがみ)あっ先生!ぺいんとさんはどこか知ってますか?
△△先生)あぁさっき屋上の鍵借りてから見てないなぁ
しにがみ)屋上の鍵ですか〜…
しにがみ)(屋上の鍵…?)
僕は先生に見向きもせずとにかく走った。
ぺいんとさんが何をするか分かったからだ。
結局親にも会えずここに来てしまった。
少し冷えるこの風が俺には気持ちよく感じる、
少しこうしていたい。
最後にこうするだけ甘えさせて。
今まで甘えずに頑張ったんだから。
スタスタスタスタスタスタスタ
放課後だってのに走り回ってるな…
今頃青春してるんだろう…
ドンドンドン
近くなってくる…
誰か来るのか…?
ガチャ
…。
ぺいんとさん!!
アイツ…
ぺいんとさん素直になろう?
何で来た…?
する事が分かっちゃったから
だとしても俺はやるよ、ちゃんと。
僕ぺいんとさんの口からちゃんとした言葉聞きたい…
もう言ったって答えは分かってるよ
じゃ…またいつ逢えるかな。
ぺいんとさん!!!!!!
僕は無我夢中でぺいんとさんのところまで走った。
走り出した頃にはもう遅いのに。
まだ助かると信じていた僕は校舎から出て、
ぺいんとさんのいる所まで降りた。
ぺいんとさんは目を瞑っていた。
「ぺいんとさん!!!」
泣きながら僕は叫んだ。
鼻に手を当てた。
まだ息はあった。
僕はどうなってもいいからぺいんとさんを
救う手だてを考えていた。
しにがみ…
滲みのある声が聞こえた。
もうやめてくれ…
俺をここから解放してくれ…
か細い声で言った。
ぺいんとさん…僕ぺいんとさんの事が…
ドサッ
握っていた手に力が無くなったのを感じた。
ぺいんとさん…!!!
僕はその場で泣きじゃくった。
僕は最後までぺいんとさんに返答出来なかった。
最後までぺいんとさんの心に誤解を与えてしまっていた。
結局僕が殺してしまったようなもんだ。
でもぺいんとさんの願いを最後に叶えることが出来た。
「ここから解放してくれ」
僕は歩いた。ぺいんとさんをおんぶして。
周りには生きているかのように、
笑いながら、
「寝るなんて酷いなぁ、遊ぶって約束してたのに」
誰もいない放課後で、僕は屋上の鍵を返した。
コメント
2件
泣けた、、😭
最高すぎます!!