テラーノベル
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地面からぶっこ抜かれたカトレアが、軍事機密レベルの情報を出してきた。
「そういえば、変態水着の押し売りに行ったときに、アデル王女の玉座の情報を入手してました!」
カトレアが、アデライド王女専用玉座のスペックを書き出した。
ヒロシの予想通り、地面に……。
目を輝かせたヒロシが、地面に視線を落とす。
カトレアの父親も関心があるようだ。
腕組みをしながら、つらつらとスペックが記されるたびに、相槌を打っている。
ベルティーナの玉座改造の参考にしたいようだ。
~アデライド王女専用玉座スペック~
名称:『ウォーター・ストライダー(あめんぼ)』
型番:SG4000WS
ボディカラー:スカイブルー
エンジン:魔導核2基+呪符式ターボチャージャー1基
トランスミッション:5速CVT
サスペンション:ダブルウィッシュボーン式(※1)
最高出力:500馬力/5500回転
最高時速:280キロ
ハンドリング:5
スピード:4
加速度:3
使用燃料:無鉛プレミアム王女パワー(アデルの気合い)
特徴:クイックターン、LSD装備(※2)
※1 ダブルウィッシュボーン式サスペンションとは、上下二本(ダブル)のV字型アーム(ウィッシュボーン=鳥の鎖骨に似た形状)でタイヤを支える独立懸架サスペンション。
高い剛性と自由なジオメトリー制御により操縦性と乗り心地を両立。多くのレース用玉座に採用されている。部品が多く複雑な構造で、コストも高め。
※1 LSDとはリミテッド・スリップ・デファレンシャルの略。コーナリング時などに片方のタイヤが空転するのを抑える。もう片方のタイヤに駆動力を伝え、トラクション(駆動力)を確保する差動制限装置のこと。スポーツ走行で安定したコーナリングや加速を実現する必須アイテム。
「ドピン子の玉座と比べて、どうなんです?」
「コースにも寄るだろうな。レースまでにパワーアップしてくるかもしれねぇな……」
サスペンション、LSDはベルティーナの玉座(レイジング・ブル)には未搭載。
アデル専用機のスペックを見たカトレアのオヤジさんは、職人魂に火がついたようだ。
「気が変わった。改造してやっから、玉座をよこせ! ぶち殺すぞ!」
「玉座を?」
「おめぇだよ!」
「良かったな。ドピン子……って、王女いねぇし……」
「王女さまなら、筋肉もり森へいきましたよ? カトちゃんぺっ(娘)を討伐してくると言って」
「ウチの王女がスイマセン……」
言いながら、ヒロシはメイド長に念話を送る。
『はい、子ども念話相談室ですっ!』
すぐさま、メイド長が応答した。
『子ども番長に緊急指令! 部隊編成後、筋肉もり森にいるドピン子王女を討伐せよ!』
『ヒロシさま。お土産は……』
『通信、おわり!』
ヒロシは、メイド長との会話をぶった切る。
念話代(魔力的コスト)が、嵩むからだ。
お得なプラン(家族割り)に加入しているが、一秒で十円ほどかかる。
土産か……。
メイド長には世話になってるし、職人(オヤジさん)に何か作ってもらうか。
“実用的なもの”が良さそうだが…‥。
「オヤジさん。アダマンタイトでハリセンって作れます?」
「つくれねぇことはねえけど、何に使うんだ?」
「ピンクの王女を張り倒します」
「そういうことなら任せとけ!」
「対王女用の地雷の製造もお願いできます? 百個くらい」
「ハリセンと地雷か…‥値段はたけぇぞ?」
「代金は『ハミデール国王』が払います」
「地雷は完成したら送ってやる」
数時間後__。
親父さんが、ノリノリで地雷をひとつ作ってくれたらしい。
「試してみるか?」
「オヤジさんで?」
「殺すぞてめぇ! ピンクのオバケ(王女)でだよ!」
ヒロシと親父さんが、ベルティーナ討伐談議に花を咲かせていた時だ。
メイド長+ベルティーナ討伐部隊(四名のメイド)が、集落に帰還した。
ベルティーナの姿もあった。
メイド長専用パイプ椅子に括り付けられた状態で眠りこけている。
「ちょうどいいところにきた」
「ヒロシさま、なぜに笑顔?」
「対王女用の地雷を作ってもらんたんだよね」
言いながら、ヒロシはベルティーナを見やる。
え? ドピン子王女ってこんな感じだっけ?
違和感を覚えるも、よほど疲れているのだろうと、ヒロシはスルーした。
「ベルティーナさまを、派手に吹っ飛ばすのですか?」
「メイド長。なんで笑顔?」
「面白そうなので。起きませんね、王女さま……。地雷で起こしてみます?」
「それじゃぁ面白くねぇだろ」
「熱々の濡れタオルでも王女の顔に載せますか?」
メイド長ならやりかねない。
「さすがに死ぬだろ?」
オヤジさんは半笑い。
「ベルティーナ王女ですよ? きっと皮膚呼吸+エラ呼吸も可能です!」
メイド長の半笑いは、オヤジさんの遥か上空を飛んでいる。
「確かにピーチ姫なら出来そうですね」
静観していたトレアが口を開くと同時、ベルティーナを二度見する。
「って、人魚やないかい!」
カトレアが声をあげる。
「私が王女を仕留めたので間違いありません。このお方はベル……。って、人魚やないかい!」
爆睡している、『偽ベルティーナ』を、メイド長が三度見した。
「やっぱり、そうか……」
「ヒロシさま、なぜに笑顔?」
「いや、カツラがずれて、人魚成分が見えてるし」
「そういえば、おでこに『プリングルスvsチップスター』って字がありませんね……」
人魚の額をペンペンと叩きながら、メイド長が残念そうにつぶやいた。
「メイド長がだいぶ前に書いた文字だよね?」
「特注のペンなので、一年は消えないと思います」
「今更だけど、なんでプリングルス?」
「プリンセスと間違えまして……。折角なので、ポテチ頂上決戦でも開催しようかと……」
紛らわしいので、目印を付けますね。
メイド長は人魚の額に落書きをはじめた。
『人魚のムニエル』と。
やはり面白くないですね……。
メイド長は書き直す。
『白身魚のエマニエル夫人』と。
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#玉座がメインヒロイン
#漫画原作希望