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その頃、別世界。
「………シュトラール。」
「フリーレン様?」
フリーレン様はいつもその方の名前を呟いている。
まるで生きるための呪文のように。
「それは…どなたですか?」
「…友人…いや、家族みたいなものだよ。」
フリーレン様の瞳は少し悲しそうだった。
感情表現を得意としない彼女がここまで落ち込むのを私は見たことがなかった。
「………何処かに行ってしまったけどね。」
「私が…助けないと。私がいないとあの子は…いや、あの子がいないと私はもう………。」
「それは…」
本当に正しいことなんですか?
そう聞きたかったけど、聞けなかった。聞く勇気がなかった。
聞いてしまえば彼女はきっと______
シュトラールという人を、世界を壊してでも、探してしまうだろうから。
それまでは私が支えます。フリーレン様。