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第5話 学園長と、封じられた過去
学園最上階。
円形の部屋に、柔らかな光が差し込んでいた。
「久しぶりだね、レオン・クロウ」
玉座のような椅子に腰掛けるのは、
魔法学園《アストラ・アルカナ》学園長――アルベルト・ノクス。
見た目は穏やかな老人。
だが、その存在感は別格だった。
「……初対面です」
「そうだね。
“君にとっては”」
レオンの指先が、わずかに強張る。
(この人、知ってる)
「模擬戦の結界が揺れた。
正確には――世界の法則が一瞬、書き換えられた」
学園長は、楽しげに笑った。
「君は魔法を使っていない。
魔法が“成立しなかったこと”にした」
沈黙。
「その力は、
この世界では正式に名前がない」
学園長は静かに告げる。
「――原初干渉」
その言葉と同時に、
レオンの脳裏に、忘れようとしていた記憶が溢れ出した。
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――過去編
あの日。
レオンはまだ、力を制御できなかった。
小さな村。
襲い来る魔獣。
「助けて――!」
叫び声に、彼は“願ってしまった”。
全部、消えてしまえばいい、と。
次の瞬間、
魔獣も、建物も、
“存在していた事実”ごと消えた。
――そして。
守ったはずの人々が、
恐怖の目で彼を見ていた。
「……何を、した?」
「化け物だ……」
誰も死ななかった。
だが、世界のどこにも説明が残らなかった。
それが、何より恐ろしかった。
(もう二度と……)
レオンは誓った。
使わない。
知られない。
普通でいる。
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「君は正しい選択をした」
学園長の声で、現実に引き戻される。
「その力は、
英雄にも、災厄にもなり得る」
「……だから、学園から出ていけと?」
「いいや」
学園長は首を振った。
「ここにいなさい。
私の目の届く場所に」
レオンは目を細める。
「監視、ですか」
「保護だよ」
学園長は微笑んだ。
「君はまだ、
世界を壊さない選択ができる」
沈黙ののち。
「条件がある」
レオンが言う。
「これ以上、
俺の力で誰かが傷つくなら……
その時は、俺を止めてください」
学園長は、深く頷いた。
「約束しよう」
部屋を出ると、廊下にセラフィーナが立っていた。
「……全部、聞いてたわけじゃないけど」
彼女は真剣な目で言う。
「あなたが、
危険だから隠してるんじゃないってことは分かった」
レオンは答えない。
「ねぇ」
一歩、近づく。
「もし暴走しそうになったら」
彼女は、はっきりと言った。
「――私が止める」
レオンは、ほんの一瞬だけ、笑った。
「……頼もしいですね」
こうして彼は、
逃げることをやめた。
力を隠したまま。
だが――
一人で背負うことは、少しずつ終わり始めていた。
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どうでしたでしょうか!!
書き溜めたところはこの第5話までなので続きは明日に出します!!見て下さりありがとうございます!!
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