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総悟「おい!起きろ」
栞「Zzz……Zzz……」
パチンッッ
栞「イッタイッ!!」
総悟「あんなに警戒していた相手を目の前によく眠れたもんだ」
(わざわざデコピンで起こさなくてもいいのに…。
乗り心地がよくてつい寝ちゃってた)
栞「ここ桜町じゃ無いですよね?」
総悟「こいつの体力回復の為に途中にある町に寄ったんだ。ついでに俺たちも腹を満たさねーと」
栞「確かにお腹すきました」
総悟「俺はこいつを預けてくる」
栞「分かりました」
桜町から離れているこの町は海沿いあたりにある為、漁業が盛んで主食もほぼ魚らしい。
町人A「嬢ちゃん見ない顔だね。何処から来たんだい?」
栞「桜町からです」
(才川城の噂はどれも悪いものばかり。関係者だと思われないようにしないと。)
町人A「桜町かい?!あそこはいい所だよなぁ。あの桜餅がまた食べたい」
栞「ご存知なんですか?!」
町人A「あそこは人も良いし市場の品もいいで有名だよ」
栞「本当にいい所ですよね」
町人A「そうだ嬢ちゃん!いい物をやるよ。はい!この店で1番人気の鯛!特別にタダだよ!」
栞「いいんですか?!」
町人A「良いんだよ〜。それに嬢ちゃんはべっぴんさんだからな!」
栞「ありがとうございます!」
(鯛をタダで貰っちゃった。にしても大きいなぁ)
団子屋で買ったみたらし団子を食べなが海を眺めていると総悟さんがやってきた。
総悟「預かってくれる所がなかなか見つからなくてな。手間取った」
栞「座ってください。良ければどうぞ」
食べながら総悟さんにもみたらし団子を手渡した。
(買いすぎちゃったけど余らなそうだし結果オーライ)
栞「そうだ!総悟さん見てください!鯛をタダで譲ってくれたんです!」
総悟「これ才川城付近でも滅多に獲れない代物じゃねぇか!」
(そうなんだ?!)
才川城は海とは無縁の土地にあるため肉や米が主食らしい。
魚は遠い市場まで行き購入するが質が落ちてしまう為料理は焼き魚のみとか。
総悟「これは今日の昼飯だ。今は朝飯を探さねぇとな」
栞「それなら、このみたらし団子を消費するの手伝って下さいよ」
総悟「…………。」
栞「なんて顔してるんですか!
『朝からそんな甘い物入らねぇ』って思ってるでしょ」
結局食べてくれたため残らずに済んだ。
それから近くの湯屋に行き汗を流した。
栞「フゥ〜、さっぱりしたぁ〜」
湯屋から出て暫く海沿いを2人で歩いていると丁度漁業が行われており遠目から観察していた。
近くに漁船が止まり、1人の男が置網を担いで降りてきた。
?「ん?あんたらこの町じゃ見た事ない面だが、何処から来たんだ??」
総悟「俺達は才kaw…」
栞「桜町です!桜町から来ました!!」
虎之助「桜町?!あそこいい所だよなぁ〜。あ!俺は虎之助ってんだ、よろしくな!」
栞「栞です!こっちは……」
(どうしよう…護衛って言うと怪しまれるし付き人?も違うし、友人にも見えないよねぇ…)
総悟「俺は総悟。栞は俺の『許嫁』だ」
栞「……………。えーー?!?!///」
虎之助「なんであんたが驚いてんだ?」
栞「いえ……なんでも」
虎之助「それ、鯛じゃねぇか!あんたらそれ食うのか?鯛は刺身が1番美味いだよ。 良かったら捌かせてくんねぇか??」
栞「いいんですか?!」
虎之助「それにもうすぐ昼飯時だしな。俺の店来いよ!すぐ捌いてやるから。今のうちに捌いた方が新鮮で美味いぞ!」
栞「お願いします!」
それから3人で虎之助さんの店へ向かった。
今は開店前で誰も居ない為貸切状態だ。
虎之助さんは鯛を捌く為奥の台所へ行ってしまった。
栞「ちょっと総悟さん『許嫁』ってどういう事ですか?!私達いつの間にその…ココッ……コイビッッ………コイビトッッてこと?!////」
総悟「こっちの方が話が通しやすいだろ」
栞「あぁ、そういう事ですか。びっくりしたぁ〜」
総悟「それに才川城から来たと言えば怪しい目で見られることは間違いないから桜町って言ったんだろ? 」
(この男、勘が鋭すぎる)
栞「その通り。才川城の悪い噂は桜町まで来ています。そんな所から来たなんて言えばこの町から追い出されるのは確実です」
総悟「とりあえず、 ここで昼飯食ったら桜町に行くぞ」
虎之助「お待ちどおさん! 虎之助特製鯛の刺身丼の出来上がり!!」
栞「うわぁ!美味しそう!」
栞・総悟「いただきます」
栞「美味しい…想像以上に美味しいよぉ……」
総悟「生の魚は初めて食べたがこんなにも美味いとは!」
虎之助「だろ!美味いだろ!!なんたって俺特製だからなぁ〜」
栞・総悟「ご馳走様でした」
虎之助「おう!また来てくれよな!!」
昼食を食べ終え虎之助さんの店を後にした。
預けていた馬を総悟さんが連れて来た。
総悟「ここから桜町までそう遠くはないだろう。行くぞ」
栞「はい!」