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第90話『武神と怪物』
中華連合武闘場。
本戦一回戦・第四試合。
実況の声が響き渡る。
「第四試合!」
「趙代表――」
龐煖!!
巨体の男が静かに闘技場へ現れる。
その圧倒的な存在感に、観客席がざわつく。
「武神……。」
「すごい威圧感だ……。」
続いて。
「楚代表――」
媧燐!!
媧燐は不敵な笑みを浮かべながら入場する。
「退屈しない相手みたいだね。」
龐煖は何も答えない。
ただ、媧燐をじっと見つめていた。
李丙が右手を上げる。
「始め!」
ゴォォォン!!
開始の鐘が鳴る。
直後。
龐煖が一直線に駆け出した。
「……。」
無言のまま放たれる拳。
ブォン!!
空気が震える。
媧燐は笑いながら身をひねる。
「危ない危ない。」
拳は紙一重でかわされた。
そのまま媧燐は反撃。
鋭い蹴りが龐煖の脇腹を狙う。
しかし。
龐煖は腕一本で受け止めた。
ドンッ!
鈍い音が響く。
媧燐が目を細める。
「硬いねぇ。」
龐煖は一歩踏み込む。
さらに一撃。
二撃。
三撃。
どれも必殺級の重さだ。
媧燐は軽やかにかわし続ける。
観客席では王翦が静かに呟く。
「対照的だ。」
李牧も頷く。
「龐煖は力で押す。」
「媧燐は相手の隙を待つ。」
じゃぱぱは興奮して身を乗り出す。
「どっちが勝つんや……!」
なおきりも息を呑む。
「全然読めない。」
その時。
媧燐の口元がゆっくりと吊り上がった。
「……見えた。」
その一言に。
龐煖の目が鋭く光る。
次の一瞬。
両者は同時に踏み込んだ。
闘技場全体を揺るがす激突が、今まさに始まる。
コメント
1件
わあ、第90話、読み終えました!「武神」龐煖と「怪物」と呼ばれる媧燐の対戦、もう始まった瞬間から空気がピリピリしてましたね。龐煖の無言の拳の重さと、それを軽やかにかわしながら「見えた」と笑う媧燐の余裕、この対照的な二人が同時に踏み込んだラスト、続きが気になりすぎます……!次の一手を想像するだけでドキドキしてしまいます。🍙さんの試合の描き方、本当に引き込まれます。
#リゼロ
すず
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