※最初に掲載した注意書きと前提をよくよくご覧の上、読み始めてください。
※途中でも「合わない」「解釈違い」と思ったら、即座にブラウザバックしてください。
※甚だしい捏造
※実在の人物、団体とは一切関係ありません
※書いている人間の妄想癖がひどいです。
※以上をふまえて大丈夫な方のみおすすめください。
ワンクッション
ーzm視点ー
エーミール。お前、俺と一緒に逃げる覚悟、あるか?
え?
そう尋ねれば、エーミールは狐につままれたようにキョトンとした顔で俺を見つめた。
俺もこんなクソ集落、さっさと出よう思っとったから、準備は進めとったんや。
予定よりちと早くなってもたが……耳を貸せ。
俺とエーミールしかおらん人気のない山道ではあったが、俺はエーミールの耳元に口を寄せ、小さい声で計画を打ち明ける。
俺が近くにおることでエーミールは逃げられないし、何より内緒話言うのは、耳元でコソコソ喋るんがお決まりや。
俺の話が終わると、エーミールは目を丸くして俺の顔を見つめてきた。
いつの間に…そんな段取りを……?
エーミールの驚いた顔なんて、いつぶりだろう。
普段から、計画性のなさを周囲から指摘され、《脳溶け》とか変なあだ名で呼ぶヤツもおるが、そんな俺が用意周到に準備していたことにエーミールが驚いているなら、俺は全世界に自慢してやりたい。
俺はエーミールを驚かしたったぞ、と。
俺は更に言葉を続け、エーミールの耳元で囁いた。
今夜にでも、決行可能やで?
それを聞いたエーミールは、ふむと唸って指でおでこを掻き出した。
子供の頃から変わらない、俺だけが知るエーミールのクセ。
こんな格好で考え事している時のエーミールは、大体ワルいこと考えておる。
俺もワクワクが止まらない。
考えがまとまったのか、エーミールは俺にしか見せない悪い笑顔でこっちを向いてきた。
……実は私も、もしものために準備していたことがありまして
ゾムさんは、私と一緒に死ぬ覚悟は、ありますか?
泣き顔から一転して艶めかしい笑い顔を見せるエーミールに俺は一瞬肝を冷やしたが、エーミールとは地獄まで一緒におると覚悟しておる。
だから俺は、自信満々に大きく頷いてやった。
エーミールは嬉しそうに目を細めて笑ってくれた。
では、お話します。あのですね……
エーミールも俺の耳元に口を寄せ、えげつない内緒話を始めてきた。
……お前も大概やな、エーミール。
ふふっ。お互い様でしょう?
じゃあ、約束やで。
俺は、エーミールの唇めがけて、自分の唇を重ねた。
エーミールは一瞬キョトンとした間抜けな顔をしたが、すぐさまゆでダコのように顔を真っ赤にしていた。
ゾ、ゾ、…ゾム……さん……?
約束手形や。ほな、今夜0時に例の場所な。
俺は自転車に飛び乗ると、ゆでダコのままのエーミールを置いて急いで家に向かった。
エーミールとキスしたった。
長い間の念願を噛み締めながら、俺は終始変な顔でニヤけっぱなしで山道を駆け抜けていった。
【続く】
コメント
2件
四流のてぇてぇワールドに入るのは有罪なのは知ってるけど2人の手助けしてぇ…