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ペイトン様をスイーツの人気店に誘うという、大きな宿題を家に持って帰ることとなった。

夕ごはんを食べる時も、読書している時も寝る前もどうやって誘おうかとずっと考えている。

誘う方法は単純で簡単で答えは出ているのに。


「わたしとスイーツの人気店に一緒に行きませんか?」と、手紙を書けば済むことだ。


それでも、こんなに手紙を書くことに向き合えない自分がいる。

さっさと机に向かってペンを取れば良いのに、そんな気になれずベットの上でゴロゴロとして、現実逃避を無意識にしているのか手には本がある。


クリス殿下はどうやってアドニス様を誘うのだろうか。

学校が一緒だから、学校で声をかけるのかな?

一緒の学校というのが少し羨ましい。

同じ空気や時間を共有できるということはとても幸せなことだ。


わたしは相手も突然決まった政略結婚なので、共有できるものはなにもなかった。


これから、お互いひとつずつ共有できるものを増やしていきたいと思っていたけど、ペイトン様に歩み寄ることがいまは難しい。


政略結婚では、恋や愛は諦めないといけないと幼い頃から思っていた。

そうではないと考えるクリス殿下は眩しかった。

相手の幸せも自分の幸せも。


制服姿のクリス殿下がアドニス様をデートに誘って、アドニス様がクリス殿下を見ながら破顔する場面を想像する。


それがアドニス様ではなく、わたしだったら?

わたしの心がなにか切なさを感じる。

わたしには経験できないことだからなのか。


これをきっかけにクリス殿下とアドニス様の距離が縮まりますように。

そして、アドニス様がご自分が置かれている環境がとても幸せであることに気づかれますように。

アドニス様がペイトン様を捨ててくださいますように。




翌日、わたしはペイトン様をデートに誘おうと思っていることを両親に相談した。

わたしがなにか悩んでいることも、コソコソ外出していることも家中の使用人もみんなが気づいていて、心配をしてくれていた。


勇気を出して、ペイトン様には一緒にお店に行くか、うちでお茶会にするか、2択で誘ってみた。


結局、やっぱりうちでお茶会となった。

人気店のチーズケーキは使用人が並んででも手に入れてくるという張り切りようというか、気を使われた。

とびっきり美味しい茶葉も用意するからねと、母にも気遣われた。




王立図書館でシャンディを見かけた。


今日は世間は休日だ。

私は王宮ですることもなく、王宮の図書室の本も大体は読破したので、王立図書館に足を運んだ。


それにしても天気の良い休日にシャンディ、君はなにをしているんだ。

広い机に何冊も本を重ね、辛うじて見えた1冊の本のタイトルが「戦略論と組織論」

難しい本だろうと察する。


真剣に読んでいる姿は共同墓地で会った時などに俺達とふざけているシャンディではない。


先日、彼女が話していた領地のことが思い出された。

彼女は同い年の子より様々なものを背負っていると気付かされた瞬間だった。

我が国のために私より年下の彼女がいろいろ我慢をしているのに、自分の立場に甘んじている己を恥じた。


シャンディが流行が全く興味がないのもそういうものが影響しているのだろう。

本来なら、アドニスのようにファッションのことや、美味しいお菓子に興味がある年頃だろう。


もっとシャンディのことが知りたくなった。君の考えや想いを聞いてみたいと思った

辺境伯令嬢、殿下とお互いの婚約者の愛を掴もうと奮闘しましたが、どうやら拗らせたようです

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