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?←アメリカ(♂)←日本(♂)×台湾(♀)←にゃぽん(♀)
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誰も報われない
◯人でる
にゃぽんと日本は別人だし、かなり不仲
ヤバい奴多め
グロいかも…
にゃぽん視点
私の灰色の世界に台湾ちゃんは色をつけてくれた。太陽の様な明るい、愛らしい笑顔が私の心を軽くしてくれた。
私は女だし、兄の日本より年下だから「国」には成れない。そう言われ続けていたので昔っから、子供の頃からわかっていた。それでも、兄が人間で言う成人の歳になった時改めて知らさせた、国に成るのは日本、と言う言葉が酷く胸に刺さった。何か言う事も出来ず、ただ頷く事しか出来なかった。でも兄に言われた言葉がその日一番辛かったが。
そんなこんなで私は兄が嫌いだ。
ある日彼女だと言って台湾ちゃんをつれてきた時兄は、
「”一応”付き合っている、台湾”さん”です」
一応とか、さん付けから本気で好き同士で付き合っているとは思えない。兄いわく、付き合ってと告白されたから付き合うことにした、と。つまり、兄は台湾ちゃんの事は別に好きでは無いのだ。なんなら、兄はアメリカさんが好きだと思う。予想ではあるものの、言動からしてほぼ確定だ。会うたび目で追っているし、他の人より話しかけにいっている。恍惚とした表情とか、作った気持ちの悪い声。見るたび、思い出すたび吐き気がする。女々しいったらありゃしない。男だから、年上だから国になったのに。都合よく可愛こぶって。なにが、
「アメリカさんッ!お疲れ様ですぅ〜!」
だ。でも、台湾ちゃんには、
「あ、台湾さん…こんにちは」
位の態度だ。台湾ちゃんを期待させておいてこの差。あり得ない。絶対許さない…出来るなら…消えて欲しいし、消してしまいたい。私の方が台湾ちゃんの事を愛しているし、大切に出来る自信がある。なのに…台湾ちゃんは兄を盲目的に好いていて、どれだけ私がアピールしようが響かない。
兄は必死にアメリカさんに可愛こぶってアピールしてるけど…アメリカさんは多分好きな人がいるんだよね…誰かはわからないけど…たとえば兄が、
「アメリカさんッ!今日遊べませんか〜…?」
って、ぶりっ子しながら誘っても、承諾しない。兄が嫌われてるか、他に好きな人がいるかだと思う。
台湾ちゃんが手に入らないのは知っている。私の隣に来ない事も知っている。それでも諦められなくて…
最期に、台湾ちゃんと会いたい。◯ぬ前に嫌い兄の顔を見るよりも台湾ちゃんの顔を見たい。目の前で◯のう。そうすれば、優しい台湾ちゃんは自分のせいだと思うはず。こんな形でしか台湾ちゃんに記憶してもらえないなんて…
震える指でインターホンを押す。出てきた台湾ちゃんに
「少し話したいの」
と、言った。直に了承してくれて、中に入れてもらえた。なにかへんなにおいがしたから、すんッとにおいを嗅ぐと血のにおいが私の鼻を通った。においの元を探してあたりを見回す。においが一層強い所を見付けた。大きなタンス。異臭が強い。申し訳ないと思いつつも好奇心が勝ち恐る恐るタンスの戸を引く。するとナニカが倒れてきて、私に乗っかかってきた。ソレをよく見ると、見覚えがある。
もう、冷たい私の”兄”だ。
いつも通りのくたびれたスーツ、細い腕や脚。私とよく似た赤い瞳。でもいつもと違う。息をしていない。腹から流れたであろう血。しかも、こうなった原因であろう包丁が刺さったままだ。ほとんどは乾いて固まっているが少しまだ液状の部分もあって。その血がもう、遅いというのを物語っている。
驚いて固まっていると後ろから足音がして。振り向くと笑顔の台湾ちゃんが。
「あ〜あ…にゃぽんちゃん…”ソレ”見ちゃった?」
いつも通りに笑って、いつも通りの声で言った。
「うん…何で兄を?」
「え〜だって日本さん、恋人らしい事してくれないんだもん!全然言う事聞いてくれないからやっちゃった!」
えへへ、と笑う台湾ちゃんにこんなときなのにドキッとしてしまった。
「そっか…」
「うん!そうだ…にゃぽん私に話があるって言ってたよね!何の話?」
「…私ね、台湾ちゃんのこと好きなの。兄…日本が台湾ちゃんを紹介した時、貴方の笑顔が私を救ってくれた。直に好きになっちゃって…台湾ちゃん、全然振り向いてくれないから…最期を見せたら記憶に残ってくれるかなって思って来たの…」
気持ち悪いよね…そう付け足してから、下を向く。
「…えッ?にゃぽんちゃんって私のこと好きなの?知らなかった。それなら…お願い聞いてくれるよね?」
一瞬驚いたような表情をみせたが、直にいつも通りの笑顔を見せてくれた。
…台湾ちゃんが私のことを必要としてくれた。断るわけない。答えは勿論…
「任せて!”何でも”するよ!」
利用されてるだけでもいい。台湾ちゃんが必要としてくれた。嬉しい。こんなに嬉しいのは初めてだ。
「良かった!じゃあ…ココにこの包丁を突き立てて?」
台湾ちゃんはトントンと台湾ちゃん自身のお腹を指差す。兄に刺さっていた包丁を抜き、それを私に渡してきた。
「………え?」
自然とこぼれでる。
「何でもするんでしょ?早く。日本さんを追いかけなきゃいけないの。お願い…にゃぽんちゃんにしか頼めないの…」
「わかった…」
台湾ちゃんが私を頼ってくれてるんだ…断るなんて失礼だから…
震える手で、包丁を握りしめ、台湾ちゃんに向ける。息をするのが苦しい。
「ほら、早く…」
「ふゥー…カヒュッ…はーッいくよッ…」
嫌だけど、台湾ちゃんのお腹に包丁を突き立てる。怖くて、直に手を離してしまった。台湾ちゃんは膝から崩れ落ち、倒れ込んだ。
台湾ちゃんは私が刺した。今、ついさっき…目の前に息絶え絶えの台湾ちゃんがいるのが、これが”現実”というのを見せつけてきている。
「ふふッ…ありがとッ…にゃぽんちゃんッ__」
「あッヤダッ…台湾ちゃッねぇ…◯なないで…嫌だッッ!」
「ッ____」
「ねぇッねぇッ!!ヤダヤダッ…あッ…ヤダよッ…」
涙でよく前が見えないけど、台湾ちゃんが息絶えたのはわかった。
「直にいくよッ…台湾ちゃんッッ…」包丁を自分に向ける。そして、思いっきりッッッ___
最期に瞳に映ったのは、兄だった。
二人の女と一人の男の遺体は、直に見つかり葬儀も行われた。そこには彼女達と親密な国たちや男の想い人も参列したという…その後、梅と桜と菊が綺麗に咲く小さな丘にたてられた。