テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
君の話でも聞かせてくれ。
その後沢山話を聞いた。
彼の夢、世界平和を目指していること。
この世界も人間も大好きなこと。
世界平和の為に頑張ったこと。
それなのに無駄になってしまいそうなこと。
でも後世に継いでいきたいということ。
連盟の話は綺麗事ばかりだった。
どれも素敵でどれも非現実的。
よく話してくれたのはこの世界の好きな所。
連盟がどれだかこの世界を愛しているのかよくわかるほど沢山聞いた。
ヨーロッパのスイーツは美味しいんです。
甘いのも苦めなのもあるんですよ。
ベルギーのチョコレートやワッフル、イタリアのマカロンとか。
スイーツ以外も美味しいんですよ。
ブラジルのコーヒー飲んだことありますか?
すごく美味しいですよ。
中華料理とか韓国料理…辛いものもありますがすごく美味しくておすすめなんです。
食べ物の話も
エジプトやギリシャに行ってみてください。
古代遺跡とかいっぱいあるんですよ。
魅力的で素敵なんです。
南米ってすごく自然豊かなんです。
たくさん生き物が生きてるんですよ。
文化ごとに生活も言葉も装いも何もかもが違うんですよ。面白いですよね。
色んな話を聞いた。
彼の旅行の話も。
彼の好きなものも。
彼の嫌いなものも。
彼の見てきたものも。
彼の願いも理想も夢も。
全てを毎日のように聞いた。
喋る相手が来てくれなかったのか。
連盟はいつも楽しそうに喋っていた。
すごく嬉しかった。
毎日のように話を聞いて過ごしていた。
そんな日々を過ごして何年か経ったころ。
1946年、国際連盟が崩壊した。
その影響かどんどん連盟は弱くなる。
私の力を使ってももうどうにもできない。
彼をどんどん感じれなくなる。
そしてなによりも不思議な感覚。
彼の見たもの感じたもの全てを
感じているような、経験している感覚。
「私、消えちゃうんですか…?」
弱く震えた声で問う。
大丈夫、絶対に守るから、大丈夫ですから…
あれ、俺こんな、
二度目の世界大戦が始まった。
国際連盟を感じることはもう出来ない。
彼は消えた。
彼は最後まで罪悪感に苛まれながら。
この世を去ってしまった。
俺が、君の代わりになろう。
私が君の願いを叶えてみせますから。
だからどうか絶対に。
俺の元にいてくださいね。
そばに居て見守ってください。
1945年、10月24日。
国際連盟の後続、国際連合が設立した。
そうだ、そうですよ。
私がこれの象徴者となればいい。
そうしたら彼の代わりになれる。
彼の願いを叶えてあげられる。
変化した目も変化した体の色も。
苦痛の末生えた沢山の翼も。
全て彼のため、ですもんね?
彼の、彼の夢の為ならなんだってする。
なんだって耐えてみせますから。
国際連合初の総会。
『こんにちは人間様。
私、国際連合の象徴者でございます。
以後お見知りおきを。
よろしくお願い致しますね。
世界平和を実現致しましょう。』
『こんにちは象徴者様。
これからどうぞよろしくお願いします。
仲良くして頂ければ。』
「……おう、よろしく」
まだこの頃無愛想だったアメリカ様。
「国際連合さん、よろしくお願いします」
まだ冷たさを纏っていた若き日本様。
冷たい目をした象徴者様。
気まずそうなアメリカ様やイギリス様とは対照的に日本様やイタリア様は明るかった。
継承でないだけでもここまで変わるらしい。
二度の戦争で主戦場になってしまったヨーロッパの継続者様達はみな目が冷たかった。
私は……。
本当に世界平和を実現できるでしょうか。
私は貴方の代わりになれるんですか?
いや、ならなければ。
私が君の願いを叶えるんです。
貴方のことを忘れたりしません。
何があっても。
何をしてでも叶えてみせる。
長毛詐欺/コニー
39