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サイド レン
夏休みまで後一ヶ月をきったある日のこと。
オレのクラスに転校生がやってきた。
綺麗な金髪をツインテールにした、アニメとかにいそうな美少女だった。
「あたくし、横山 夢芽(ヨコヤマ ユメ)といいますわ!皆さん、これからよろしくお願いしますのよー!!」
大きく、ハキハキした声でユメはそう挨拶した。
その癖のある喋り方もあり、ユメはすぐにクラスの人気者になった。
「オレは、クラスで浮いていた存在だったので、ユメはオレの”憧れ”でした」
だから、見てしまったんだ。
「えっと、そのユメって子がいじめられてるの?」
「違います。逆なんです、キリさん」
「「「逆?」」」
キリさん、団長さん、マオさんが声を揃えて言う。
その横で、タエさんとルネさんはなんでもないという顔をして説明する。
「つまり、ユメちゃんがいじめている……ってこと?」
「あとは自作自演とか……かな……?」
タエさんのいう通りだ。
「自作自演の方です。まるで、人の心の中を読んでいるんじゃないかってくらい堂々と仕掛けているのに誰も気づいていなくて……」
「本当に人の心を読んでるんじゃない?そのユメって子」
「えっ?」
キリさんの仮説にオレは顔を上げる。そこでやっと自分が俯いていたことに気づいた。
そんな、超能力みたいな力をユメが持っている?
「あ、超能力的な力じゃなくて、その人の仕草や癖とかを見分けるメンタリストみたいなものだったらあり得るかなーって……」
「おいおい!そうゆーやつがいることはいいとしても、小学生がそんなのわかる訳ねーだろ?!」
団長さんが手を横に振る。
オレも、そう言いたい。けど……。
「キノ、キリが烏を操っただろ。忘れたのか?」
「あっ……」
このモンダイジ団には、動物の気持ちを理解して自由に操ることか出来るキリさんがいるんだ。
もしかしたら、ユメも……?
ありえる、と思う。
オレだって…………。
「ねぇ、レン君」
ずっと黙っていたトキさんが、急に声を出した。
「もしかしてなんだけど、ユメちゃんってさ、ブーツ履いていたりとかするのかなって思って」
えっ……?
「確かにそうですけど……なんで、トキさんがそのこと知ってるんですか?」
全員の視線が、トキさんに集中した。