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サイド レン
「なんでトキさんがそのこと知ってるんですか?」
全員の視線がトキさんに集中する。
一方で、トキさんは何かに納得したように頷いた。
「やっぱりそうなんだ。僕の地方ライブに何回か来てくれた子がいてさ、そのユメちゃんって子と特徴が当てはまるんだよね」
なるほど、そうだったのか。
……ん?
「いやいやいや!ライブに来た人の顔覚えてるって、どんな頭してんだよ?!タエと同じくらい頭いいじゃねぇか!」
団長さんが一拍遅れてツッコミを入れた。
「タエさんには敵わないよ。ユメちゃんのことを覚えていたのは、愛知とか、福岡とか、いろんなところにいたから覚えていただけだしね」
「いろんな……ところ?」
「あ、タエのスイッチ入っちゃった?」
ホントだ。タエさん、ルネさんの言葉に反応しないくらいに集中して何かを考え込んでいる。
「まぁ、タエは放っておいて、……レン君ってさー、この後授業ある?」
「えっ、と…今日はもうないですけど、明日から一週間は夏休み前の授業があります」
急に何を聞くんだろう、ルネさんは?
「そっか。じゃあその間、なるべくユメちゃんと一緒に行動してくれない?」
「いいですけど……なんでですか?」
オレが素直に疑問をぶつけると、ルネさんは笑顔のまま、背筋が凍るようなことを言った。
「勘違いならいいんだけど、このままだとユメちゃん、死んじゃう気がするんだよねー」
『??!!』
オレが、みんなが、息を飲んだ。
なんで、そう思ったんだろう?
「もちろん、気のせいかもしれないけど。タエが感じた違和感のこともあるし、レン君にはユメちゃんのこと、見ててもらいたいんだよね」
「わ、かりました……」
オレには、それしか言えなかった。
「おいルネ!ちゃんと説明しろ!」
マオさんがそう言ってルネさんの肩を強くゆする。
「だから、なんとなくだって!タエと違って証明できないの」
「とりあえず、俺らは俺らでいろいろ調べてみるから、レンもユメのこと頼むぞ!!」
団長さんがそういって、この話をまとめた。
いつのまにか外は日が傾き始めていた。
オレも帰らないと。
「今日はありがとうございました!またきます!!」
ユメを助ける。
そのために、オレはオレができることをやるんだ。