テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
あべさく正義♡
42
junp_Sn-Fk.
5,356
夢花𓂃𓂂ꕤ*.゚
1,190
#あべさく
夢花𓂃𓂂ꕤ*.゚
9,924
二人が訪ねてきたのは定時ちょっと前。仕事の最終処理を終わらせて、足早に会社を出る。猛暑の中外で立ち話も何だからと、佐久間くんが近くのカフェで話そうと提案してくれた。おそらく、すでにそこに亮平はいるだろう。10年越しの再会、緊張してしまうが、亮平は違う緊張を抱いてるはず。だって、知らない人と会うようなものだから。
カランカラン
sk「目黒!」
佐久間くんが席から手を振った。その席に向かう前に、佐久間くんが立ち上がって
sk「じゃあ、俺出るから。二人でじっくり話せ」
mg「いいんですか?一緒にいなくて」
sk「俺がいたら話せないこともあるだろ?大丈夫だよ、なんかあったら車ん中いるから。そんときは呼べ」
mg「分かりました」
より緊張してきてしまった。沈黙が続いたらどうしようとか、嫌われたらどうしようとか、色々考えてしまう。
でも、もうそんなこと考えてる暇ない!当たって砕けろ!
mg「こんにちは」
ab「あっ…」
真顔でずっと見つめてくる。そんな顔で見られたら、可愛すぎてこっちが照れてくる。
ab「本物だ…」
mg「えっ?」
ab「ほんとに、あの絵の人だなって思って。すみません、取り乱しました」
やはり、俺の記憶はなくなっているようだ。寂しさもあるが、それよりも、亮平に会えて、亮平と話せていることが嬉しくて思わず笑みが溢れる。
mg「大丈夫、、です」
ab「あの、色々聞きたいことがあって。まず、どんな関係だったんでしょう?」
mg「えっと…」
言っていいのだろうか。恋人だったと。引かれないだろうか。
mg「あの、恋人、でした」
ab「やっぱりか〜」
mg「えっ?」
ab「記憶がなくなる前の俺が、記憶を無くしても、まためめのことを好きになると思うって言ってて。ああ、そういう感じの関係だったのかなって」
mg「そう、だったんですねぇ…」
ab「タメ口で良いよ」
mg「えっ、でも」
ab「恋人だったんでしょ?なら、あの時らしくしてほしいっていうか、俺は、覚えてないけど」
mg「いいなら、そうする」
ab「ありがとね。あと、ごめん、忘れてて」
mg「いや、それは亮平は悪くないから」
ab「ねぇ、俺も目黒くんのことめめって呼んでいい?」
mg「もちろん、逆にそうしてほしい」
ab「ほんとにありがとう」
今、言うべきだろうか。この後もたくさん質問してくると思う。だからこそ、今伝えておきたい。
mg・ab「あの!!」
思わず被ってしまってお互い笑い合う。本当に、あの頃に戻ったみたいで楽しい。
ab「先にどうぞ」
mg「いや、先にいいよ」
ab「いや、俺が質問してばっかなのもあれだし、めめから良いよ」
mg「じゃあ、お言葉に甘えて」
mg「俺、まだ亮平のことが好きなんです。嫌いになることなんてない。だから、なんでも聞いてほしい」
ab「でも俺、前の俺じゃないし、めめのこと忘れてるし…」
mg「だったら、これからまた始めればいい。俺のこと、好きになってほしい」
ab「ありがとう。嬉しい。でも、めめのこと忘れてて、まだよく知らないから、返事は待ってほしいな」
mg「うん、亮平ならそう言うと思ったよ」
ab「めめは俺のこと、よく知ってるんだね」
mg「恋人でしたから」
ab「ねぇ、今からめっちゃ質問してもいい?めめのこともっと知りたいんだ。高校時代のことも、今めめが何をしてるのかも知りたい」
mg「もちろん」
それからは色んな話をした。高校時代のこともだけど、亮平が今どんな仕事をしているのかとか、俺の仕事とか、家じゃどんな感じで過ごしてるのかとか、好きなものも、趣味も、初対面の時みたいに、聞きたいこといっぱい聞いた。そして…
mg「亮平、ふっかさんに会わない?」
ab「ふっか?えっ、めめ、連絡取ってるの?」
mg「連絡取ってるというか、今同じ仕事してる」
ab「そうなの!?ふっかかぁ、久々に会いたいなぁ~」
mg「やっぱり、ふっかさんのことは覚えてるんだね」
ab「あっ、ごめん…」
mg「違うの!完全に記憶がなくなった訳じゃないんだなって思って」
ab「そっか、ありがとね」
mg「会いたい?」
ab「うん」
mg「じゃあ今度言っとく」
ab「ありがと」
やっぱり、ふっかさんのことは覚えていた。完全に記憶がなくなった訳じゃないって思ったのも本心だけど、羨ましくなったのも本心。さっきはオブラートに包んだけど。でも、また三人で雑談でもしたいという気持ちのほうが大きかった。亮平って何かしら魔法でも持ってるのかもしんないな。
今、亮平から色々質問されてるけど、俺も聞きたいことがあった。
mg「一つ、聞いていい?」
ab「何?」
mg「亮平は、記憶取り戻したいと思う?」
ab「…」
亮平の顔が完全に暗くなった。少し、踏み込んだ質問をしてしまった。
mg「ごめん、こんな質問して」
ab「ううん!全然。ただね、記憶を戻したいとは思わないんだ。もちろん、めめとの記憶は思い出したい。でも、前の俺が記憶を消したくてとった行動が無駄になるのは嫌だ。多分、それほど嫌な記憶だから」
ab「だからね、都合がいいけど、めめとの思い出だけ思い出したいって思ってる」
mg「嬉しい。でも、無理に思い出そうとしなくていいから」
ab「ありがとう」
どれだけ話したか、日はもうとっくに暮れて、夜空に浮かぶ星がほんのり輝いていた。
ab「じゃあ、今日はこの辺で」
mg「亮平」
ab「ん?」
mg「会えて良かった」
ab「俺も、めめに会えて良かった」
亮平に会えたことがゴールじゃない。ここからがスタートだ。また、好きになって欲しいから。
________大好きだよ、亮平。
コメント
2件

うー 良かったね。 🩷も違う意味で優しいんだね。 又1から恋すればいいよ💗 楽しそうに2人が話ができて良かった。 続き楽しみです😊待ってます。
ああ、もう…この再会シーン、胸がぎゅっとなりました。めめが「まだ亮平のことが好き」って伝えるところ、覚悟と切なさが滲んでて…。亮平が「めめとの思い出だけ思い出したい」って言ったのも、すごく亮平らしい優しさだなって。記憶がなくても、惹かれ合う二人の空気感が丁寧に描かれていて、読んでいて温かい気持ちになりました。ふっかさんとの再会フラグも気になるなあ。次が楽しみです🌷