覚悟

佐久間は愛猫を抱きしめながら泣く。

心に鎧をつけたはずなのに、痛みで泣く。

佐久間ー俺の鎧、全然役に立たないじゃん。

もう限界まできてる。

心が悲鳴を上げる。

鎧を壊して割れ目がたくさん出来て、岩本への想いが溢れる。

助けて助けて。

佐久間ー翔太、助けて。

渡辺ー辛いか？

佐久間ー辛すぎる。

渡辺ー目黒！

目黒ーどうしたの？

渡辺ー佐久間がもう限界だ。

目黒ー佐久間くん、おいで。

3人だけの会議室。

目黒は佐久間を抱きしめる。

佐久間は声をあげて泣く。

渡辺はその場をそっと離れ岩本を呼ぶ。

目黒にすがって泣いている佐久間。

岩本の胸がツキンと痛い。

渡辺ー照、どうする？

岩本ー俺も覚悟は決めた。

渡辺ー目黒！佐久間！

振り向いた2人は岩本を見た。

佐久間は目黒から離れない。

何度も首を振る。

岩本が近づいてきて目黒から佐久間を預けてもらう。

渡辺と目黒は会議室から出て行った。

岩本ー俺は覚悟決めた。

佐久間ー照、何言ってんだよ。

岩本ーお前を可愛く大事に思う。

佐久間ー離せ、お前はそんな事言っちゃダメだ。

岩本ーもういい、佐久間。

佐久間ー照・・。

岩本ーこれから、抱きつくのは俺だけにしとけ。

佐久間ーいい・・の・・？

岩本ーいい、俺だけの佐久間でいろ。

佐久間は岩本の腕の中で泣いた。

何度も「いいの？」と「ごめん」を繰り返し泣いている。

佐久間の心の鎧が外れ、むき出しの岩本への気持ちが溢れる。

それから2人は渡辺と目黒に礼を言い「覚悟を決めた」と報告した。

あの日から2か月。

佐久間は岩本の腕の中で優しいキスをもらい、そろそろ物足りなくなってきた。

2人で気持ちよくなりたい。

岩本はどう思うだろう。

佐久間ー照、もっと愛して？

岩本ー気持ちいいこと、するか？

佐久間ー照になら、何されても気持ちいい。

岩本ーじゃあ、明日家においで。

佐久間ーうん！