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《米津町のそこそこ広い運動公園にて》
米津学園の生徒達が運動公園に整列していた。
神野まにまに先生が弓矢で空高くに浮かぶ
くす玉を素早く射た。
パァンと心地の良い音がして煌びやかな
紙吹雪が舞った。
かくして、能力者達による体育祭が幕を開けた。
今年の体育祭のテーマは《皆で米津町最強の
能力者、ロカ先生を倒そう。》である。
今回の体育祭はロカ先生チームvs姉ヶ崎茜色率いるおねぇちゃんチームの対決であった。
ロカ先生チームでもおねぇちゃんチームでもないどろり達のような生徒はやりたい種目だけ参加してあとは自由に過ごせた。
第一種目はロカ先生一人vsおねぇちゃんチームの力自慢の生徒達による綱引きである。
綱引き用の縄は複数の《職人》によって編まれたとてつもなく強靭な縄が用いられた。
「いくぞおまえらぁぁ!!!!!!!!」
「「オォゥッ!!!!!!!!!」」
各学年の運動部の能力者達と力自慢の生徒達が懸命に綱を引っ張った。
その中には痛見の姿もあった。
「がんばれー皆ー。」
《みんなのおねぇちゃん》と呼ばれ慕われる美少女、姉ヶ崎茜色が皆を応援した。
「「「ウ、ウオオオオ!!!!!!!」」」
おねえちゃんチームの能力者達が猛り吼えた。
彼らは能力を使い全力で縄を引いた。
「オッシャァァァ!!!!見ててください!!!
姉ヶ崎先輩ィィィィ!!!!!!」
姉ヶ崎茜色に密かに思いを寄せている痛見も
力の限り縄を引いた。
「……..《動かざること山のごとし》。」
ロカ先生は腰を落としゆっくりと縄を引いた。
じり……じりと縄がロカ先生の方に引っ張られていく。
「どうなってんだ!!!???能力でロカ先生の周りの地面の摩擦係数を0にしてるのに!!!?」
能力者の一人がそう言って驚いた。
他にも精神系の能力者や催眠系の能力者が
同時に力を使っているにも関わらずロカ先生はまるで動じていなかった。
ロカ先生のこの異常な力と精神力はロカ先生の能力、心の強さを肉体の強さに変える能力《ストリーミングハート》とロカ先生の第二次能力者戦争で経験した壮絶な経験によるものだった。
第二次能力者戦争を生き抜き、能力者の生徒や米津学園に襲いかかる能力者達と戦い続けたロカ先生の肉体と精神は彼らの小細工を
凌駕するほど強靭だった。
この圧倒的な力こそがロカ先生が米津町最強と唱われる所以である。
ロカ先生は微動だにせずにじりじりと縄を引いていく。
「動かねぇ….!!??山でも引っ張ってるみたいだ…..!!!」
筋骨隆々な生徒が額に血管を浮かべ上がらせながら言った。
「シリアーーッス!!!こうなったら奥の手を使うッ!!!あるはっ!!!力を貸してくれッッ!!!!!」
ロカ先生チームのはずなのに何故かおねぇちゃんチームに混ざって綱を引いてるシリアスブレイカーは応援席で麦茶を飲みながら
ぼんやり綱引きを見ていた栗毛色あるはに
そう叫んだ。
「へッ!?え!?私ですか!!????」
何も聞かされていなかったあるははびっくりして麦茶をこぼしてしまった。
「いくぞっ!!!!シリアーーッスチェーーーンジッッ!!とうっ!!!」
シリアスブレイカーはそう言って巨大ロボットに変身し、あるはを搭乗席に乗せた。
この巨大ロボット化はシリアスブレイカーが
『BioTOPE 第72話』でピノッキオ弟というマッドサイエンティストとお友達になったことで身体をちょっと改造し身につけた 《ブリキノダンス》の新たな能力であった。
巨大ロボットとなったシリアスブレイカーは人を踏まないように縄の一番後ろに降りた。
ズシィィンとものすごい音がした。
「私ロボとか操縦したことないんですけどッ……!!?」
突然の出来事に困惑する栗毛色あるは。
「シリアーッス!!!そこら辺のレバーを良い感じに引いてくれ!!!!」
めちゃくちゃ雑な指示をするシリアスブレイカー。
「え、えと……ッなんとかなれぇー!!!!」
やけくそでレバーを引く栗毛色あるは。
すると巨大化したシリアスブレイカーは
ゆっくりと縄を引き始めた。
縄が….わずかにおねぇちゃんチームに動いた。
「おお!!これならいけるんじゃないか!!?」
応援席のどろりは叫んだ。
「いけー☆シリアスブレイカー!!!あるは先輩!!!そしておねぇちゃんチームの皆ー!!!」
表裏一体はスマホで綱引きの様子を撮影しながら彼らを応援した。
じり….じり….と縄がおねぇちゃんチームの方へと動き、そして止まった。
「…..それで全力かしら?」
ロカ先生は淡々と言った。
そしてロカ先生は少し本気で縄を引き始めた。
「ぐ…..うぉぉぉぉ!!!!!!??????」
「シリアーーーッス!!!!!!」
「ふんぬらばぁぁぁぁ!!!!!!!」
おねぇちゃんチームの屈強なる生徒達は必死で綱を引いた。
しかし、ロカ先生のパワーに抗えるものは
いなかった。
ロカ•タランティーネが本気でこの星を殴ると多分この星を破壊出来る。
ロカ先生の強さはもはやギャグの領域に片足突っ込んでいた。
生徒達は健闘したが、結局この勝負はロカ先生の圧勝であった。
応援してた生徒達はどんまーいと健闘した
生徒達に拍手をした。
「あちゃー☆惜しかったねー。」
表裏一体は能天気に言った。
(やっぱり正攻法でロカ先生に勝つのは無理そうアルね…….。)
綱引きを見ながら《クローバー同盟》の転々は冷静にそう判断した。
「すいませんシリアスブレイカー様…..。
私がもっとロボットの操縦を勉強してれば…….。」
栗毛色あるはは申し訳なさそうにシリアスブレイカーに言った。
「シリアーーーッス!!!楽しかったなあるはッ!!!私は最終種目の悪鬼退治に参加するつもりだ!!!!よかったら応援してくれッッ!!!」
元のサイズに戻ったシリアスブレイカーは
そう言って決めポーズを取った。
「……ッはい!!!!!」
あるはは少し涙を浮かべて笑った。
次の種目は生徒達と米津町の皆さんによる
ダンスである。
(最後まで読んでくださりありがとうございます。)