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はぁ…今日もあんまり調子良く無かったなぁ…、
俺は今、悩みがある。
そのせいで最近あまり練習に集中できていない…もっと強くならないといけないのに……。
悩みの原因は俺と同じ日本代表のメンバーにある。
そう…俺はキャプテン、石川祐希に恋をしてしまったのだ。
俺は男だし、相手も男…叶うはずがない。
でも、日に日に祐希さんへの想いは増していくばかりで、最近は練習にも集中出来なくなっていたというわけだ。
「はぁ……」
「どうした?ため息なんてついて」
俺のため息に気づいたのか、俺の悩みの種である張本人が話しかけてきた。
「……別になんでもないですよ!」
俺は咄嗟に嘘をついた。
だって、言えるわけないじゃん……好きなんだなんてさ……。
そんな事できたらこんな風に悩んでないよ!
「ふーん……」
祐希さんは納得のいってなさそうな声でそう言った。
「ほら、練習行きますよ」
これ以上話したくないと思った俺はそう言って、先に歩き始めた。
「はいはい」
そんなやり取りをした後はお互い練習に集中した。いつもよりも集中できた。
でも、集中しすぎていつもよりも時間が遅くなってしまった……。
もう外は真っ暗だ…今日はもう終わろう。
「俺、先失礼しますね!」
俺はそう叫ぶと急いで荷物をまとめて、練習場を後にした。
「あ、おい!ちょっと……」
祐希さんが何か言ってた気がするが、俺は気にせずに走って帰った。
「はぁ……疲れた……」
部屋に着くと俺はすぐにベッドにダイブした。
今日の…感じ悪かったかな…。
咄嗟っだったけど、祐希さんから見れば感じ悪かったかもしれない。
「……嫌われてないといいけど……」
俺は不安だった。付き合えるなんて思ってないけど嫌われるのだけはイヤだ。
そんなことを考えていたら、いつのまにか眠っていた。
「ん……もう朝か……」
今日はオフだからゆっくり寝れた。昨日遅くまで練習してたからまだ眠いや……。
もう少し寝てようかな…。
そう思った時、部屋をノックする音が聞こえた。
「おーい、いるかー?」
その声は祐希さんの声だった。
なんで!?ちょっと待って!こんな寝起きの顔見られたくない!俺は慌ててベッドから起き上がり、鏡で顔をチェックした。
うん、大丈夫だ!多分……。
俺は恐る恐る扉を開けた。
「あ、おはようございます」
「おはよ……ってねぐせついてるぞ」
やば、焦ってたから気づかなかった…恥ずかしい……。
「あはは……今起きたばっかなんで」
「へぇ……」
祐希さんはそう言いながら、俺の頭に触れる…。
え!!祐希さんが…頭…撫で…⁉︎、
「はい、ねぐせなおったよ、」
祐希さんは優しく微笑んでそう言った。
「あ、ありがとうございます…」
心臓がどきどきする…ありがとうねぐせ!!!
「ん?顔赤いけど大丈夫か?」
祐希さんはそう言いながら俺の顔を覗き込んできた。
あ、顔が近い!!心臓バクバクいってる!!
「だ、大丈夫ですから!」
俺は祐希さんの顔を手で押して離した。
「あ、そうだ!今日暇か?」
「え、あ……まぁ…オフだし…」
「じゃあさ、一緒に出かけないか?」
「え!?」
やばい、嬉しすぎる……!断る理由がないよ…。
「は、はい!俺でよければ!」
あ、ついOKしちゃった……でも祐希さんと出かけるとか夢みたいだ……。
「よし、決まりな」
やったあ!!嬉しすぎる…!
「じゃあまた後でな」
そう言って祐希さんは俺の部屋から出ていった。
あ〜どうしよう!何着てこうかな…。
俺は張り切って服を選び始めた。
結局、無難な服をセレクトして待ち合わせ場所に向かった。
「お、祐希さん!お待たせしました……」
「おう」
うぅ……私服姿の祐希さんもかっこいい……。
「じゃ行くか」
祐希さんはそう言うと歩き出した。俺もそれに続いて歩いた。
俺たちはデパートに来ていた。買い物したり映画を見たりしていた。でも、俺は正直それどころじゃなかった。だってこれ…デート、じゃん!
〜〜
「祐希さん!」
「ん?」
祐希さんは俺の方を見た。
「俺、今日凄く楽しかったです!連れてきてくれてありがとうございました!」
俺は満面の笑みでそう言った。本当に今日は楽しかったのだ。だから、自然と笑みがこぼれていたんだと思う。
そんな俺を見て、祐希さんは少し驚いていた様子だったけどすぐに笑顔になって言ったんだ。
「……俺も楽しかったよ」
あ〜もう!!なんでそんなにかっこいいんだよ…。好き、大好き……
「祐希さん…好き…」
続く…?