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昔、暗黒神ヤマタノオロチに生贄として選ばれた少年・ミスターすまないがいた。
周りに助けを求めるも、周りは見て見ぬふり、顔を逸らしていた。
幼いすまないは絶望した。やがて、その大きな巨体はすまないを捉えた。
だが、すまないは、両親に助けられた。
『──すまない、我が息子よ』
『──強く、生きるのよ』
そう言い残し、彼らは立ち向かった。暗黒神に向かって。
『──父さん!母さん!』
すまないの声は虚しくも、両親を引き止めることは出来なかった。
✵✵✵✵✵✵
それから月日が経ち、ミスターすまないは成長した。
すまないは、イタズラを繰り返す手に負えない少年へと成長した。
やがて、その街の村長から
「お前は、暗黒神を倒す役目を持っている」
と言われた。
そこから、すまないはもう1人の“少年”と英雄になる試練を受けた。
そこでは、沢山の事が起きた。
“少年”と手を合わせてモンスターを退治したこと。
とある“少女”に恋をしたこと。
“少女”が、敵対している一族の一人であること。
敵である剣士に殺されたこと。
すまないを助ける為に、“少年”と“少女”は、協力して“命の聖水”を汲みに行ったこと。
・・・“少年”と“少女”が、帰らぬ人となったこと。
その出来事から何年か経ち、すまないは大人へと成長した。
大人になったすまないは、暗黒神から世界を守るため、設立された学校にて、教鞭を執る。
そこでは、様々な事情を抱えた生徒たちを受け入れた。
それから、すまない・・・“すまない先生”は、生徒たちに様々なことを教えた。
教え、学んで、鍛えて、笑って、泣いて・・・
どれもとても楽しい出来事だった。
✵✵✵✵✵
だが、たまに、たまに考えたことがある。
──もし、違う選択をしてたら?
──もし、あの時言っていれば?
──もし、もし、もし・・・
──もし、“こうしていれば?”
そんなことを考えたことがある。
✵✵✵✵✵
「──い!!先生!!」
「──おい!誰か早く──!!」
灰色のカーテンのように降りしきる雨の中。
誰かの叫び声が雨にも負けない声で木霊する。
少年たちが必死に呼び止める。
少年たちが囲っている中央には、青年が倒れていた。
至る所の擦り傷、切り傷といった軽傷から、深い刺し傷、切り傷から血が滴り落ち、水に溶けていく。
青年・すまない先生の体から力が抜けていく。
意識が薄れていく。
(・・・ここで・・・終わるのか・・・?)
すまない先生の視界は、必死で呼ぶ生徒たちの顔がだんだんボヤけ始める。
(・・・あぁ・・・もう・・・こえも・・・きこえ・・・な・・・)
すまない先生は瞳を閉じた。