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めりりんちよ
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まるまろ
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ーー『指先から届く温度』
静かな図書室の窓際に、いつもと同じ午後の光が差し込んでいた。
机を挟んで向かい合うのは、耳が聞こえないスマイルと、声が出ないBroooock。
二人にとって、この静寂はごく当たり前の世界だった。
スマイルの手元には、使い古されたノートが一冊。
Broooockがペンを走らせるカリカリというかすかな振動が、テーブルを通じてスマイルの指先に伝わる。
『今日の放課後、屋上行かない?』
ノートに書かれた丸っこい文字を見て、スマイルは口元を少し緩め、小さくうなずいた。
スマイルは相手の唇の動きを読む手話や読唇術もできたが、こうしてBroooockとノートをやり取りする時間が何よりも好きだった。
放課後、オレンジ色に染まる屋上に出ると、心地よい風が二人の髪を揺らした。
Broooockはフェンスに寄りかかり、ポケットからスマートフォンの画面を見せてきた。
そこには、事前に打ち込まれたテキストが表示されている。
『スマイルは、音のない世界って、寂しいと思ったことある?』
スマイルは一瞬空を見上げ、ていねいに手を動かした。
「昔は思ったよ。
でも、君と出会ってからは違う」
文字を介して会話を重ねるうちに、スマイルは音ではなく「言葉の温かさ」を知った。
そしてBroooockもまた、自分の声が届かなくても、まっすぐ目を見て心を感じ取ってくれるスマイルの存在に、どれほど救われてきたか知れなかった。
Broooockはスマートフォンをしまいたい衝動を抑え、スマイルの開いたノートに素早くペンを滑らせた。
『僕の声は誰にも届かないと思ってた。
でも、スマイルは僕の言葉を一番深く聞いてくれる。
言葉は声じゃなくて、伝える想いそのものなんだね』
その文字を見たスマイルの視界が、じわじわと涙で滲んでいく。
耳が聞こえなくても、声が出なくても、二人の間にはどんな鮮やかな言葉よりも強く、確かな絆が確かに通い合っていた。
夕日が完全に沈むまで、二人は何度もノートに想いを綴り合い、言葉のない温かな世界を分かち合った。
コメント
1件
うわあ…これ、第2話で泣きそうになったわ。 耳が聞こえないスマイルと声が出せないBroooock、二人だけの静寂の中で「言葉の温かさ」を確かめ合うのが本当に尊い。特に「伝える想いそのもの」って台詞、心にズシッときた。 音や声がなくても、想いがあればこんなに鮮やかに通じ合えるんだなって思わせてくれる、優しくて温かいエピソードだった。続きが気になる…!