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#一次創作
ruruha
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コメント
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みぅです🤍🥀 第33話、読ませてもらいました。 ついに開かずの扉が開いて、地下へと続く道に進んでいく展開、すごく引き込まれました。特にフレディの様子がどんどんおかしくなっていくところが不気味で…。手を振り払ったシーン、冷たくて震えてた手、息遣いが乱れてるのに「大丈夫」って強がるところ。兄としてしっかりしようとしてるけど、何か飲み込まれてる感じがして切なかったです。 禊ぎの道とか澱んだ水の匂いとか、描写が美しくて、でも怖くて。次が気になります…!
「フレディ、見て!!」
思わず声を上げた。
「扉が開いてる!」
開かずの扉が、ほんの少し口を開けている。
扉に駆け寄った。
「昨日まではぴったり閉じていたのに……」
手が差し込めるほどの隙間ができている。
ノブが無くても、これなら開けられそうだ。
そう思って伸ばしかけた手を止めた。
どうして開いているのだろう?今日に限って。
開かずの扉は開かないからこそ、開かずの扉なの……。
開いたら……何が待っている?
ぞくっと震えが走る。
「なんだか……手招きされているみたい……」
「ん……」
生返事に振り返ると、フレディはしきりに目を擦っていた。
「どうしたの?」
「うん……ちょっと目が……」
「目に何か入った?見せて……」
「あ、ううん。へーき、へーき!もう治った」
「そう?」
ごしごしと強く目を擦って、彼は肩に手をかける。
「呼ばれてるってのは、あながち間違いじゃないと思う……」
生返事だったが、私の話は聞いていたようだ。
「でもそれなら、急いだ方がいいかも!」
肩を戸に押し込むと、開かずの扉がゆっくりと大きくその口を開けた。
ここは小さなお堂のようだ。
橋の通路が部屋の上部を横切っている。
あれは落とし戸を通った時に渡った道ね。
あの時見下ろしていた風景を、今は見上げている。
聖堂は使われなくなって長いようだ。
しかし、荒れている感じはしない。
ステンドグラスごしの月光が、室内に淡い色彩を投げかけている。
堂内に足音が冷たく響く……。
小聖堂の奥についた。
そこには地下への階段がぽっかりと口を開けている。
聖堂なのに、聖母の像も祭壇もない。
ただ地下への階段が存在している。
階段を覗き込むと、奥から水の匂いがした。
「降りる?」
私が聞くと、フレディは黙って頷く。
階段を下りた先には、人工の池があった。
通路は数段下がって、水の中を通っている。
その通路の両脇から、透かしの壁が挟んでいた。
「水の道……」
呟いて気づく。
そうか、ここ二つに分かれていたあの地下の池だ。
その中央に出てきたんだ。
「禊ぎの地だよ……清めに使われる」
「フレディは難しいこと、たくさん知ってるね」
「……え?何か言った?」
彼は瞬いて私を見た。
「ううん、大したことじゃないからいいの……」
水の道を見つめる。
水中にあるので、歩くと嫌でも水に浸かる構造だ。
しかも真ん中に段があって、水深は結構深い。
今が真冬じゃなくて、本当に良かったと思う。
禊ぎの道を抜けると、洞窟に繋がっていた。
かがり火が焚かれていて、揺れる光が岩肌を照らしている。
さっきの池は清浄な水の匂いがしたが、ここは澱んだ水の臭いがした。
かがり火の光はその周囲を照らすだけで、その光は奥の穴まで届かない。
「どこへ繋がっているんだろう……」
「…………」
「フレディ?」
呼びかけても返事がなかった。
さっきからフレディの口数が少ない。
すごくしっかりしているけど、それでもやっぱり怖いのかもしれない。
そうね。
私の方がお姉さんなんだから、頼ってばかりじゃダメよね。
こういう時くらい、しっかりしないと。
「フレディ」
はっきりと呼びかけると、我に返ったのか返事があった。
「えっ、ごめん、なに……」
「手、つなご。そうすれば怖くないよ」
「え……」
彼が断る前に手を伸ばす。
私の手がフレディに触れた時、ばしっと振り払われた。
「あっ……ご、ごめん!!」
「…………」
「ごめん、姉ちゃん。嫌とかそういうんじゃなくって!」
私はニコッとする。
「うん、そうね。男の子だもんね。ちょっと照れちゃうね」
彼がホッとしたのが空気で伝わってきた。
「行こ」
フレディの背中を追って歩き出す。
一瞬触れたフレディの手は、冷たくて震えていた。
とても強い子だから……私には緊張していること、バレたくないのかもしれない。
それだけよね?
道は地の底へ誘うかの如く、ひたすら下がっている。
デコボコしている上に濡れているから、転ばないように気をつけなきゃ……。
這い上がってくる冷気に、私はぶるっと震えた。
「ちょっと寒くなってきたね……」
「…………」
やっぱり返事がない。
「ね……」
呼びかけようとして、前を行く少年の息遣いがおかしいことに気づいた。
妙に呼吸が浅い。
「どうしたの……調子悪い?」
「……何でもないよ。気にしないで」
「…………」
穴には澱んだ水の臭いが溢れている。
まるで湖を潜っていくよう……。
道は急勾配で下っている。
どこまで潜っていくんだろう。
不安になる……。
フレディの呼吸が大きく、荒々しくなっていた。
さっきまでは必死に隠そうとしていたが、もう耳を澄まさなくても呼吸が乱れているのが分かる。
「ねえ、どうしたの?苦しい?少し休む?」
「いい」
私の提案は切り捨て、却下された。
「大丈夫、行こう」
荒い息の向こうから、フレディが短く言う。
「……うん……」
さっきから彼の足取りが不安定だ。
「フレディ……」
「…………」
前に行くフレディに声をかけてみても、返事は返ってこない……。
私たちはひたすらに潜っていく。
光の届かない、暗黒の世界へ。