私は体育館の周りをぐるぐる回る。
(あ!いた! …?)
なんかバレーの練習してる?話しかけてみようかな。
『日向!ちょっと久しぶり!何してるの?』
「おぉ!西川!知らないのか?」
『…? なんも』
「このちんちくりんバカのせいで追い出されたから、試合で勝ってバレー部に入れてもらうんだ。」
やけに口が悪い説明をしてくれたのは影山さん。それにしても…
『試合って、バレーの?…2人じゃ無理じゃ…』
「そうなの!だから田中さんに手伝ってもらんだー!」
(田中さん…?あ、あの坊主の人。)
『そうなの!とにかく頑張って!!』
「おう、ありがとう!」「うす。」
(久しぶりに話したけど、元気そうでよかった!さて、体育館に行くか。)
『あ、蛍くん!と、菅原さん!』
「よー!西川ー!」(*ˊᗜˋ*)ノ゙
「今日も頑張れよ!」
『はい!じゃあ、準備してきます。』
私はネットの準備などをしながら蛍くんと菅原さんの2人が話しているのを見ていた。
「〜〜〜」
「〜〜」
(なんて言ってるかはわかんないけど、ちょっと睨み合ってる…?)
心配でずっと見ていたら、2人と目が合った。
(あれ?大人しくなった。)
なんだったのか、と思いつつも体育館倉庫に荷物を取りに行く。
(う…ここ棚高いんだよな、)
私は背伸びしても届かない荷物に苦戦していた。
『うーん…』
「これ?はい。」
『え!蛍くん!ありがとう。』
「いいよ。」
「”優しい人”が好きなんデショ?」
「ぇ…どういうこと?」
あ、やばい。今絶対顔赤い。
蛍くんが何か言いそうだったが、内心焦りまくっている私の遠くから声が聞こえる。
「ツッキー!!」
「あ、山口。じゃ。」
そう言って蛍くんは歩いていってしまった。
(え、ええぇぇ…///)
<続く>
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