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旅行から帰ってきて、2学期が始まった。
奏斗も学校に慣れたころ。そんな日の昼休み、とある出来事が奏斗を襲うのだった。
「おい、奏斗。お前優菜ちゃんを独り占めしようとしてるんだろ?」
「え?」
「とぼけるなよ。お前が優菜ちゃんと過ごした夏休みの写真、ネットに上がってんだよ。」
松野が突然スマホの写真を見せた。それは確かに優菜と奏斗が旅行先で撮った2ショットだった。
「何でそれが…?」
「お前のスマホから乗っ取んだんだよ」
「は…?いつの間n」
何かを言いかけた瞬間、奏斗は松野の平手打ちによって階段から突き飛ばされた。体の弱い奏斗にとっての、松野からの平手打ちの痛みはどれほどのものだろうか。すぐそこにいた優菜は奏斗が突き落とされる一部始終を見ていたが、その場から動くことはできなかった。本当は助けたいと心の奥底で思っていたが、松野が本当に奏斗のスマホから写真を乗っ取ったと考えると、すべてが億劫に思えてきた。何もかもが嫌になった。
平手打ちを食らった奏斗は倒れ、間もなく、救急車が来た。
優菜は救急車を見送ると、急いで家に帰り、身支度をした。
そして、すぐに病院に向かった。