4.変わった人生
いつもと変わらない道をいつも通り帰る。
でも一つだけ違うことが。
帰ったらお母さんがいた。
暗闇のリビングにぽつんとお母さん。
『お母さん?なんで、?』
『おかえり。話があるの、』
話?
久しぶりにあって話と言えば…
嫌なことしか思い当たらない。
新しい家族なんて受け入れないから。
『なに?』
『私、再婚する。』
はぁ。予想通り。
『だれと?』
名前聞いても誰だか分からないのは分かってたのに何故か気になる。
もしこの勘が当たったとしたら、私は絶望を味わうだろう。
“じゃあ今度宮原さんにお父さんが現れるかもね
お母さんが発した名前は
『平井賢人って名前の人。』
何もかもが当たってしまった。
そして何もかもが狂い始める。
『え、』
『なに?知り合いなの?』
『私の、私の学校の先生…。』
日が沈み、部屋がさらに暗くなる。
『そうだったの。ならよかった。面識があるのね。』
よかった…?なにが?
やっと好きになれた先生。この気持ちは隠しておこうとしてた。
自分に嘘をついてでも好きじゃないって言い聞かせて、
お父さん…いらない。
矛盾している。好きな人がお父さんになるのがこんなにも辛いなんて知らなかった。
叶わない恋がもっと叶わなくなる。
近くに入れてもその関係性は、先生と生徒。
いや、親と子供。
届くかもって期待した私が馬鹿だった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!