shp side
しにがみさんとの約束からもうすぐ1ヶ月。
もう11月に入りそうな頃になっても、俺はまだ言えなかった…..
shp「…」
「にゃぉーん」
…どこかで猫の鳴き声が聞こえた。
思わず探してしまう。
shp「ぁ…」
見つけた…けど、
kr「ショッピさん」
shp「く、クロノア先生…」
kr「あ、もしかして猫撫でに来た?おいで?」
そう言ってクロノア先生は手招きをする。
左手で猫の腹を撫でていた。
shp「…」
静かにクロノア先生の隣に行く。
kr「はい、どうぞ」
クロノア先生は俺の前に猫を移動させる。
慣れた手つきだ…
ヨシヨシ
撫でてやると猫は気持ちいいのか「もっと!」と言うように腹を出す。
その姿がとても可愛くて可愛くて…思わずもっと撫でてしまう。
すると猫はいきなり立って俺の横に来て、そこで丸まった。
kr「可愛いよね…猫好き?」
shp「はい、」
kr「俺も好き」
クロノア先生はそう微笑むと、俺の目を見て言った。
kr「動物って苦しんでる人に寄り添ってくるってよく言うんだ。特に猫とかはね…」
「しんどい事があれば言っていいんだよ?」
もう限界だった。
いじめに耐えるのも、両親の事を思い出すのも、俺のせいで周りがいじめられてしまうのも…
…今も昔も苦しむのは自分だけでいいと思ってる。
昔はそれで良かった。でも、今はチーノさん達まで巻き込んでしまって、それだけで苦しくなって、いじめっ子の人たちに反発したい気持ちでいっぱいだった。
だって、チーノさん達は俺の命の恩人なのに…
こんな俺の傍でずっとどうしようも無い俺を支えてくれて、どんだけ俺が救われたかなんて…..
だけど、俺が反発したらその分、チーノさん達のいじめが酷くなるって思ったら…何も出来なくて、そんな自分がもどかしくて…..
猫「にゃお〜ん…」
猫が俺の足の上に乗る。
どうやら俺が泣いてるのを心配してくれてる様だ。
shp「…..クロノア、先生」ポロポロ
kr「うん、」
shp「…助けて、くださっっ…」ポロポロ
そこまで言うとクロノア先生は俺の背中を擦りながら
kr「助けるよ」
「もう大丈夫、大丈夫だからね…」
クロノア先生は俺の涙を優しくふいてくれた。
それだけで俺の心も、身体も、今までに感じたことの無いくらい軽くなったような気がした。
ci「もう…..もうっ!!!!!」
「遅すぎて…..心配したんやからなっ!!!!」ポロポロポロポロ
そう言って号泣しながら俺の手を握りしめるチーノさん。
チーノさんの後ろではコネシマさんと鬱さんが見守ってる。
kr「まぁ俺がいたから大丈夫だよ、遅くまで連れ回しちゃってごめんね?」
ut「連れ回したって…どこ行ったん?」
kr「ん?猫カフェだよ?」
サラッと当たり前のように言うクロノア先生。
そう。あの後、クロノア先生は俺を慰める為に猫カフェに連れていってくれた。
猫を触ったり、コーヒーを飲んだりしていたらあらびっくり。もう夜の7時過ぎてはないですか。
という訳で部屋までクロノア先生が送ってくれたのだった。
ci「もう…心配したんやからな…..グズッ」
ずっとそれを連呼するチーノさん。
本当に申し訳ない…俺のせいで泣かせてしまって…
でも…..
shp「…クロノア先生、まだ時間はありますか?」
kr「あるけど…どうしたの?」
shp「…….」
クロノア先生は俺の何かを察したのか、「同居人たちに連絡だけいれるね」とだけ言った。
kn「…それで話って?」
ソファの上にクロノア先生、俺、コネシマさん。
鬱さんは立っていて、チーノさんは真面目に正座していた。
そう、言うのだ。今、ここで..
今言わなかったら俺はきっと後悔すると思ったから…
だから、クロノア先生がいるうちにって思ったけど…中々1歩が踏み出せない。
kr「…俺から話しようか?」
クロノア先生が気をきかせてくれる。
でも、俺は、自分で言うと決めた…しにがみさんとも約束した。
shp「…スゥ-..ハァー」
とりあえず深呼吸して心を落ち着かせる。
言うんだ、今、ここで…
きっと…きっとコネシマさん達なら大丈夫だから
shp「…あの、」
大袈裟かもしれんけど、俺は大きな1歩を踏み出した。
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shpくんの口調迷子です()
コメント
3件
猫とじゃれ合うとか尊すぎるんだけど‼︎
うわァァァァァ⤴︎ ⤴︎(?) 発狂案件並に神ですぅぅ..