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少々過激(R18Gの方)な言葉が含まれますので、センシティブとして設定致します
この物語はフィクションであり、実在する人物、団体や組織等とは一切関係ございません
あまり物語として成立していないかもしれません、どうかお許しください
無垢な姫であるサニーという少女は、鏡の向こうの世界がどうなっているのか気になって、魔法の力を使い、鏡の向こうに足を踏み入れた
鏡の向こうは、景色はそのままに重力が反転しており、とても暗い森の中で目を覚ます。
自分から見ると宙ぶらりんであるはずなのに、軽く動く身体が大層気に入り、思わずはしゃいでいた
鏡の向こうの住人も明るくて、彼女は森の住人から案内されながら、鏡の向こうにある自身の城を目指した
サニーの着る純白なドレスがふわりと舞い、とても美しく、神々しい、そんな姿をしている
彼女は自身の城に着くと案内してくれた森の住人に礼を言い、自身の城の門の前で、執事の迎えを待つ
「そういえば、あっちは昼だったのに、どうしてこっちは夜なんだろう」
サニーはそう思いながらも、執事が到着したのを見て、城の中へと足を運ぶ
城は月に照らされて、仄かな灯りがまるでスポットライトのように窓から床に当てられている
サニーはわくわくしながら「鏡の向こうの自分」に会いに行こうとしていた
サニーは執事に案内されるがまま、地下室へと歩を進める
サニーの自室は城の最上階である3階に位置するが、サニーはその事に気がつくことは無い
サニーは暗いところに目が慣れていないために、気づかない
この城の姿は所々が黒く染まり、所々の床にヒビが入っていることに
門から城にかけて位置する庭の手入れが行き届いていないことに
執事の目が全く笑っていないことに
鏡の向こうの自分の部屋は、最下層に位置していた
サニーはだんだんと感じてくる、自分のいるような世界とは違うのだと
地下のおどろおどろしく、冷たい雰囲気を肌で
感じてしまった。
ついに、サニーは鏡の向こうの自分と対面した
「貴方が鏡の向こうの私?」
自分はゆっくりと返事をした
……えぇ、貴方がサニーなの?
「そう!私ね、貴方のことが気になって」
鏡の向こうの自分は、真っ黒なドレスを身にまとっていた
所々の布は欠け、とても高貴な暮らしをしているとは思えないと、サニーは気付いていた
サニーは、もう1人の自分と話すうちに、ひとつの違和感を覚える
気が付けなかった執事と同じように、彼女の目は明らかに笑っていないのだ
「ねぇ、どうして貴方はそんなに苦しそうな顔をするの?」
彼女は話を切り出す、そして*彼女*はそれを聞いて、ぽつりぽつりと話し始めた
「あなたの世界とは、真逆なの」
「あなたは、まるで日の照ったひまわりね」
ぽつり、ぽつり、
彼女の世界では、魔法で人を救うことが当たり前だった
貴方はいいわよね、私は、呪いで人を不幸にするのが好きなの
彼女の話は止まらない
あなたはいいわよね、芝を青くする隣すら存在しないのだから
貴方はいいわよね、真っ赤なインクを浴びる必要がないのよ
貴方はいいわよね、人のもがく声が地上から聞こえない、笑った声が聞こえる、誰も傷つかない
*彼女はぽつり、ぽつり、ぽつりと、*彼女に羨望を向けた
彼女は*彼女*の話すことを、ぼーっと聞いた
それしか、出来なかった
負の感情をありったけ向けられた後、*彼女*の目は白く輝いた
*良かった、私の思惑通り、*貴方はここに来た
*そう言って、彼女は日の照ったひまわりのような笑顔を*彼女に向けた
「どういう、こと?」
あのね、私、全部嫌になっちゃって、
争いが絶えないのも、人の悲鳴も、ほんとは嫌だったの
ねぇ、私は貴方と一言も言葉を交わしてない
でも貴方は当たり前のように話してたでしょう?
彼女は*彼女*の言葉ではっとした
ねぇ、私の名前は、サニーじゃないの
私の本当のなまえは
ルナ
あんたみたいな忌まれた呪いの子は、太陽の下で、明るい場で活躍するような器じゃない
確かにそう言われたんだよ
彼女は確かにそう話していた
よかった、貴方のために「魔法」を使ったの
よかった、貴方のために「呪い」を使ったの
*よかった、*よかった
*彼女*はボロボロになった手鏡を渡される
鏡を見て、それを見て、その鏡を床に叩きつけた
「今日から、あんたが夜のひまわりだよ」
彼女は黒く染まった瞳の彼女を見て、そう嘲笑った
「ありがとう、愛してる」
どう、して
どう、して
「禁じられた場所に、ここに貴方を連れて、私が貴方と入れ替われば、全部終わるかなって」
「ぜーんぶ!上手くいった!」
*彼女*は純白のドレスを纏っていた、それですら真っ黒に染った
*何、これ
*どうして、私、苦しいの?
「この世界の呪いは、全部私の力から生まれたものなの」
「さようなら、サニー…いや、ルナと呼ぶべきかな」
「愛してる」
彼女の姿は*彼女*とは対照的に純白となり、彼女に背を向けて歩き出す
まって
お願い
いかないで
彼女は呆然と崩れ落ち、太陽の下で笑顔に育って欲しいという由来を持つ名前を奪われる
彼女は鏡の向こうの世界に対する興味が、自分から発せられた呪いだと気づく
そして、彼女は両手を胸の前に合わせ、ぎゅっと握った