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先生に小汚ない姿を見られ少し鬱になりながらもプリントを受け取り帰宅する。
僕には兄がいる。
兄は信頼できるので、虐めのことも話してある
今日は大学が休みらしい
ありがたいと思った。
医療系の大学に入っているため、応急処置のしかたを学んでいる
だから僕は、事情を話し、手当てをしてもらっている。
「雪斗……お前…………その怪我」
「あはは……またお願いできるかな?」
「ッッッッ辛いよな……」
「心配しないで……」
兄はいつの間にか泣いていた
普段は泣かない人なのに……
ちょっと新鮮だなと思ってしまう僕がいる。
「すぐ手当てするからな」と
救急箱を足早に取りに行った。
僕はその間に血に濡れたインナーを洗濯機に放り投げ、その場で待機していた。
そのうち兄が戻ってきて傷の消毒と、包帯を巻く作業を始めた。
「いててててててててて!!!!!!!」
「我慢しろよぉ!」
「いたいもんは痛いんだって!」
少しもがきながら半笑いで兄とのやり取りを続ける。
正直この時間が心の安らぎを与えてくれる。
手当てが終わり、僕は自室で改めて課題を終わらせて、兄のいるリビングへと向かった。
兄はテレビで動画を見ていて、僕はまたか…と思いながら隣に座って一緒に動画を見た。
そうこうしていると携帯がなった
「あれ?リリィからだ、圭兄、ちょっと待ってて」
「電話?おっけ」
僕はそそくさと廊下に出た
「もしもし」
「雪斗君?」
「そうだけどどうしたの?」
「明日休みでしょ?ちょっと一緒に出掛けない?」
「いいけど……何処へ?」
「秘密」
「教えてくれたっていいじゃん」
「秘密ったら秘密!明日の昼過ぎに迎えにいくね!」
「分かった!」
「じゃーね!」
「ばいばい!」
電話が切れた
僕はリビングに戻り、さっきリリィと話したことを伝えて、また動画を見始めた。
夕食時になり、兄の手料理を食べていると、唐突に兄が、
「雪斗……」
「ふぁい?(何?)」
「お前がいじめられていること、学校の教師は知っているのか?」
「知ってると思う」
「教師がいじめを止めてくれたことは?」
「無い」
「そっか」
そう言い残してまたご飯を食べ始めた。
数分の沈黙が続いたと思ったら
「守ってくれている人はいるか?」
と聞いてきた。
僕は戸惑いながらも「リリィ」と
言った。
兄は少し安心したような顔をして、
よかったと呟いた。
正直僕もほっとした
久々に兄の優しい笑顔が見れたからだ。
ここ数日間ずっと暗い顔をしていた。
僕もちょっと、どうしようか悩んでいたが、悩む必要が無くなったようだ。
そのあとは兄の大学であった話を聞いたり、ゲームをしたりと幸せな時間が続いた。
でも明日はリリィとの約束があるので、少し早めに寝ることにした。
最後に兄が
「明日、楽しめよ」
とこえをかけてくれた
僕は、自分なりの最大の笑顔で
と頷いた。