テラーノベル
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手紙の撮影から一週間。
企画終了まで。
残る撮影は、あと一回。
最終回だけになった。
その事実が、二人の心を少しずつ焦らせていた。
────────
💛side
朝。
スタジオへ着くと、監督から封筒を渡された。
「最終回の台本です」
照は静かに開く。
一枚だけ入っていた。
『恋人役として過ごす、最後の一日。』
その下に。
“最後は、お二人にお任せします。”
💛「……」
終わる。
本当に。
────────
💜side
「最後かぁ」
ふっかも同じ紙を見つめる。
嬉しい企画だった。
大変だったけど。
終わると思うと。
胸が苦しくなる。
「準備お願いします!」
スタッフの声で我に返った。
────────
撮影場所は、小さな公園。
春の風が吹き、桜が少しずつ散り始めている。
派手な企画じゃない。
ただ二人で歩くだけ。
話すだけ。
笑うだけ。
それが最後だった。
💜「天気いいな」
💛「晴れてよかった」
ゆっくり歩く。
何を話しても。
どこか終わりを意識してしまう。
────────
途中。
ベンチへ腰を下ろす。
しばらく無言。
照が小さく息を吐いた。
💛「ふっか」
💜「ん?」
💛「企画終わったらさ」
💜「うん」
💛「……遊び行く?」
ふっかが固まる。
💜「え?」
💛「仕事じゃなくて」
💛「普通に」
💛「二人で」
頭の中が真っ白になる。
今。
照が。
仕事じゃなくて、と言った。
💜「……いいの?」
💛「いい」
💜「なんで?」
照は少し困ったように笑う。
💛「会いたいから」
風が止まったような気がした。
ふっかは何も言えない。
その一言が。
今まで聞いたどんな台詞よりも。
胸に響いた。
────────
💛side
(言っちゃった)
勢いだった。
でも。
後悔はしていない。
照はふっかを見る。
返事はまだない。
数秒が何分にも感じる。
すると。
💜「俺も」
小さな声。
💜「俺も会いたい」
照の心臓が大きく鳴る。
💜「企画終わったらじゃなくて」
💜「終わる前から思ってた」
💛「……」
💜「仕事なくても」
💜「照と飯行ったり」
💜「どっか行ったりしたいなって」
もう。
企画の話じゃなかった。
────────
その時。
少し離れた場所にいた監督が、スタッフへ合図を送る。
「カメラ止めて」
スタッフが驚く。
「止めるんですか?」
「うん」
監督は小さく笑う。
「ここから先は」
「仕事じゃない気がする」
カメラの赤いランプが消える。
照もふっかも、そのことには気付いていない。
────────
💜side
ふっかは照を見る。
💜「照」
💛「ん?」
💜「一個聞いていい?」
💛「いいよ」
💜「さ」
💜「これって」
💜「役じゃないよね」
照はゆっくり頷いた。
💛「違う」
💜「……」
💛「もうずっと前から」
💛「演技じゃなくなってた」
その言葉を聞いた瞬間。
ふっかは小さく笑った。
安心したように。
力が抜けたように。
💜「よかった」
💛「え?」
💜「俺だけじゃなかった」
照は目を見開く。
ふっかは照から視線を逸らさず、静かに言った。
💜「あの、さ、」
💜「俺、照のこと」
💜「好きになってた」
沈黙。
桜の花びらが、二人の間をゆっくり舞う。
照はゆっくり立ち上がる。
ふっかの前まで歩いていく。
💛「……俺も」
それだけ言って。
ふっかの手をそっと握った。
恋人役として何度も繋いだ手。
でも。
今は違う。
演技でも。
撮影でもない。
照は少し笑う。
💛「やっと言えた」
ふっかも笑い返す。
💜「遅いよ」
💛「ごめん」
💜「許す」
繋いだ手は、そのまま離れなかった。
少し離れた場所では。
監督とスタッフが静かに見守っていた。
誰も声を掛けない。
これはもう。
番組じゃない。
二人だけの時間だった。
junp
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コメント
2件

監督が天才すぎる💛💜
うわあ、最終回だったのか…いや、まだ続くのかな?とにかくこの17話、めちゃくちゃ良かったわ。 「仕事じゃなくて会いたい」って照が言ったところから、もうずっと胸が熱かった。ふっかの「俺だけじゃなかった」っていう安心したような笑顔、想像しただけで泣きそうになる。監督がカメラ止めたのも、プロの判断として美しいなと思った。 演技じゃなくなってたって気付いてたけど、お互いに言い出せなくて、でも最後の一日でやっと言えたっていう流れが自然でグッときたわ。良かった、本当に良かった。この二人のこの先も見たいなあ…!