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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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【 わんく! 】


※美少女組

※妖パロ。潔総受けの方はまだ書いてるとちゅうなので……はい……すいません………

※氷織が神社の神様、千切が学生。時期的に明治時代ら辺かな(











「 なァ 、」



ちりん 。

ちりん 。

ちりん 。



鈴の音が鳴り響く 。





「 聞こえとるんちゃうけ ? 」




誰かに問い掛ける、ソプラノの声 。

姿は見えない、否、声の主が纏っている白い雲のような物体は見える 。ただ 、それが見えるだけで基本は聞こえるだけ 。

クス、と声の主は笑った 。




「 まァ 、ええわ 。じきに 会えるさかい 」

「 覚えときぃや 。僕 以外の 他のモン に 取られちゃあ 、アカンで 」




そういうと 、声の主 は 消えていった 。纏っている雲が完全に消えると 、存在自体も無かったかのように 。



ちりん 。

ちりん 。

ちりん 。



また 、鈴が鳴った 。











「はっ……!?」



ガバッ、と上半身を勢いよく起き上がらせる。

さっきの夢は、なんだったんだよ。

額の汗を服の袖で拭くと、ため息をつく。

あのような夢は、一週間前からずっと続いているのだ。不気味で淡々とした声に、いつもびくびく脅かされている。俺____千切豹馬は、その夢に悩まされていた。

チラ、と窓に目を向けると太陽が顔を出し始めている。橙色の光に照らされて、眠気が一気に吹っ飛んでしまった。



「………ふん、」



丁度良い頃だ。起きて支度をして、國神達と早く学校に行こう。

少し、ほんの少しだけ、この変で不気味な夢に感謝をした。










「居ねぇな、」



あの後、急いで支度をして集合場所にやってきた。……のは良いのだが。

やはり國神達は居ない。……國神というのは、同じ学生仲間である。早すぎたのだろうか、と配布されている時計を見てみる。集合時間よりも30分はまだ早い。



「……はぁ~~~~」



ノリノリで来てやったのに。最悪かよ。

ため息をもう一度つくと、地面に座り込む。待つしかないので、適当に転がってた石を持つと地面に絵を書き始める。



「…ぷっ、國神気持ち悪」



俺自作の國神を書き上げると、あまり可愛くできず、ムキムキマッチョになってしまった。まぁ、あいつムキムキだしあながち間違ってはないが。

遊んでいた石がゲラゲラ笑っていると、どんどん違うところに転がっていく。それに気づいた俺は、手を差しのべるも石は止まらない。



「あの石が一番でかくて描きやすいのに……」



俺の暇潰しを潰すってのか神様。

謎のこだわり心が働いて、俺はその石を取ろうとまた手を伸ばした。絶妙な角度で石は動き、全く取らせてくれない。不自然な動きすぎて少し動揺するも、また取ろうと手を伸ばした。










「っと取れた~~!!………ん、?」




巧妙な手口で動き回っていた石をやっとこさ掴んだ時、辺りは知らないところだった。

……神社、だろうか。古びた鳥居に申し訳程度のお参り場所。吃驚するほど質素な神社だ。

だが、見たことがない。昔からこの村に住んでいるが、こんな神社ほんとに見覚えがないぞ。



「……誰か~~、誰か居ませんか~~。」



声を出すも、誰も返答してくれない。迷い込んでしまったのか?と考えるも、そんなことはないだろう。そんなに歩いた記憶はない。

後ろに何らかの気配がするまでは。







「 居るで 」








はっ、と後ろを振り向く。何故か聞いたことのある声だった。既視感が凄いその声に反応すると、その相手はクスクスとお上品に微笑んだ。

水色の綺麗な髪に、青空のようなキラキラ輝いている瞳。女性のような容姿にベストマッチしている袴に、くらりと目眩がした。身長が高いので、この人はきっと男だろう。男だったとしても俺は困惑すると思うけれど。




「…あの、俺迷って。◯◯村に帰りたいんすけど、道を教えてもらってもいいすか、?」




そう目の前の”ヒト”に言うと、そのヒトの笑顔はなくなった。にこにこ笑っていた口角が、じんわりと垂れ下がっていく。




「 ………それよりも 、あんさん えらく べっぴんさん やなぁ 。あんさん みたい な べっぴん さん 、僕 会った こと ないねん 」


「あ、ありがとうございます…………あの、それで道を」


「 ああ そうや !あんさん の “名前” を 教えてぇや 。僕 は 氷織羊 や 。よろしゅうに 。」




俺の質問にはフル無視で、どんどん俺に質問を返してくる。この人…否、氷織さんは妖しげにまた微笑んだ。

如何にも、名前を強調とした言い方。そんなに俺の名前が知りたいのかよ。と、言ってやりたいところだったが早く帰らないとまずいので質問を返す。




「……千切、豹馬です」



「 千切豹馬 …………………………… 」

「 か 、」




氷織さんはピタリ、と動作を止めた。何度も俺の名前を復唱して、嬉しそうに頬を赤く染める。


____あ、この人やべェ人だ。


俺の本能が、そう叫んだ。気づくと、氷織さんから少し距離を取り、逃げようと構えていた。




「 んふ 、逃げちゃァ …… あかんで ? 」

「 真名(まな)を 僕 に 教えた 、豹馬くん が …… 悪いんやで 、」



「ま、な…………?……ぁ、!」





______真名。

それは自分自身の名前のことであり、それを信頼していない相手に言ってしまうと支配されてしまう、という噂を持つ。だから、周りのやつらは信頼していない相手には偽名を使うのだ。


それを俺は”そんなのデタラメだろ”と思い、今まで真名を言っていた。知らない人に名前を聞かれた時も、普通に答えていた。


だから、言ってしまった。この男に。


逃げちゃダメ。そう言われただけなのに、俺のからだはピシャリと固まっていた。





「 これが “ 支配 ” や 。豹馬 くん を 思い通り に 操作 できて 、思い通り に できる 。

真名 、教わらんかったん ? 可哀想 になぁ 」


「 でも ええよ 。” これから “ は 、僕 と 一緒 に 学んでいこうな 」




そう氷織さん_____人外がいうと、固まっている俺を優しく抱き締める。










「 一生 、離さへんで? 」













ちりん 。

ちりん 。

ちりん 。



鈴の音が鳴り響く。




「 ふふ 、あははっ ! 」




嬉しそうに、”しっぽ”を振りながらスキップをする 目の前の男 。

妖しげな氷色の瞳を揺らし、笑みを浮かべながら一人嗤った。




「 これで 、あの子 は 僕 の モン 。

もう 、逃げられない 呪縛 を 付けた ったし 」



「 あの子 は べっぴん さん やからなァ 。

そう 思わへん か ? 烏 」




目の前の男…烏に自慢するように言うと、鼻歌を謳い始めた。男は苦笑すると、黙って消えていった。視界から急に消えたので、人外であることは確かだ。




「 ふん 、まァええわ 。

豹馬 、僕 の 事 待っとるかな ~ ? 早く 帰って あげんと 」









ちりん 。

ちりん 。



また鈴の音が鳴り響いた。



気づけば水色の男は、その場から姿を消していた。












「千切さんの息子さん、行方不明なんだって?」


「えぇ、そうらしいわね。鞄と友達(國神)から貰ったであろうものが落ちてあったそうよ。道路も”何もないところ”に」


「そうなの!?それは怖いわね…”神隠し”ってやつかしら……」


「えぇ…早く見つかってくれるといいけど」

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コメント

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わーっ!!美少女組や!!!🤍 このカプ初めて見たけどハマりそうですね....💞 ほんと話の書き方大好きです()

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