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秦中先生短編集

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秦中先生短編集

14 - 第14話烏丸蘭丸のとばっちり

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2025年06月08日

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🍶「明日宇宙終わるん?」

☀️「そうかもしれない」


穏やかな朝、晴明と凛太郎は土に塗れて職員室へ帰ってきた。凛太郎は晴明にマシュマロ達と日光浴しようと誘われたので今日は早く学校に着いた。毎日日光浴してれば遅刻による減給も減るのだろう。2人共日光浴を終え、心がスッキリしたかと思えば、今日が地球最後の日のような光景に心が沈んでいくのがわかった。2人の前には



🐦‍⬛「別に飲むのが悪いってわけじゃないけどさ、ねえ?2人して潰れちゃダメでしょ」

🧣🎭「コイツが」

🐦‍⬛「お兄さん言い訳は聞きたくありません!!」


2人の前には、蘭丸の前に正座する飯綱と学園長の姿があった。以前飯綱と学園長により正座させられていた蘭丸は見たことがあったが、まさか立場が逆転する日が来る日がくるとは。記念すべき今日に、無言で凛太郎は動画を回し始めた。これ見よがしに晴明も撮影を始めた。しかし、全く目的が違う。凛太郎は2人に対する脅しに、晴明は単純に物珍しさから動画を撮っている


🐦‍⬛「メガネくんはさ、1番潰れちゃダメだよ!」

🧣「…💢」

🐦‍⬛「あっちゃんがだらしないの知ってんだから。自制してよ」

🧣「…😖💢…」

🐦‍⬛「あっちゃんも!部下にそんなことさせないの!!」

🎭「…😖💢」

🐦‍⬛「返事!!」

🧣🎭「…ちっっっっっへーい…」


飯綱と道満の手に浮き出ている血管に気づいていないのか、かなり強気な蘭丸。晴明と凛太郎は、ドヤしてくる時のレベル分けをしていた。一歩間違えれば2人とも殺しにくる。今回は危険度マックスだ。しかし、飯綱の額にはレベル7の血管しか出ていない。逆に、道満はもう手遅れなレベルで浮き出ていた。あの具合なら、拷問で済めばいい方で、半殺しにされたのちにまた半殺しにされる。つまり、殺されるレベルだ。飯綱まで限界を迎えれば、それが2人。


見誤れば死ぬというのは間違いでも比喩でもないことは理解していただけただろうか



🎭「…飯綱。今回のみ私刑を認める。校庭なら遠慮なくいけ」

🧣「了解」

🐦‍⬛「え?」


あ、終わったな。直感的に今後の蘭丸のコトを思って、2人は心から蘭丸に合唱を捧げた。せめて少しでも、楽に死ねるように


🐦‍⬛「ちょ、え?め、メガネくん??そっち、窓…」

🧣「そーだな…」


蘭丸の首根っこを掴むや否や、窓までひきづっていく飯綱。発する言葉に、生気も、感情も感じられない。道満はどこかへ消えたが、絶対に何かある


🐦‍⬛「え、ちょっと…いや…僕ここから落ちたら死んじゃう…から押さないで!!!!!」

🧣「で?それが?」

🐦‍⬛「今回僕何も悪くないよねーーーー??????!!!!!」


もはや人を突き落とすセリフとは思えないセリフを吐き捨て、窓から蘭丸を掃き捨てた。蘭丸の遺言は、責任を持って団員(?)達に届けられるよう、一切雑音が入らぬように涙を堪えた。まったくいい思い出がないが、あの2人の犠牲になったのだ。どれほどクズであろうと同情せざるを得なかった


🐦‍⬛「ま、僕飛べるんだけど」

🎭「だよなチクッッッ」

🐦‍⬛「おわっっっ?!ちょえ、これ、は」

🎭「何だと思う?」


蘭丸が広げた羽根には、注射器が刺さっていた。恐らく、以前たかはしに刺されたものと同じ。飛行困難になり、焦る蘭丸。しかし、怒りに我を忘れた2人が止まるわけがなく


🐦‍⬛「まっっっ…ーいや、これ、死…」

🧣「まだ早ぇえんだけど? 」

🐦‍⬛「え?!」


飯綱が、窓から飛び降りてきたのだ。それにも驚いたが、飯綱は蘭丸を助けた。掴まれているのは襟だが、それでもしっかりと握られている


🐦‍⬛「め、メガネくん…」

🧣「で?学園長、どうしますか」

🎭「とりあえず、校庭抜いてもらって結構です」

🧣「了解っ」



そういうと、飯綱は何の遠慮もなしに蘭丸の頭を地面に叩きつけた。さらにはその頭を思い切り踏みつける道満。明かないじめか暴力行為だが、2人は止まると言うコトをしらない。しかし、意外にも道満と飯綱が手を挙げたのはそれだけであった。ただ、ゆっっっっっくりと校舎裏で詰められ、ドヤされ。全く今回は悪くない蘭丸の悲鳴が朝を彩った








🐦‍⬛「僕何も間違ってないのに…!」

🎭「調子乗ってんじゃねえぞ」

🧣「…」

🐦‍⬛「や〜ん怖いよ〜晴明くん、僕を守って♡」

☀️「あの2人からは守れないですって」


そろそろ生徒も来る頃なので、止めに入った凛太郎と晴明。幸い、珍しく飯綱の理性が若干残っていたため、今は蘭丸の手当てをしている


🐦‍⬛「てかなに?君ら前世親子か兄弟…双子だった?」

🧣🎭「は?」

🐦‍⬛「え、思うとこない?!」

🍶「コレが…」

☀️「血縁…」


凛太郎と晴明の脳裏に浮かぶのは、タバコを吸う飯綱と道満。素はヤンキーな飯綱と道満。すぐ手が出る飯綱と道満。酔うと寝る飯綱と道満(蘭丸情報)。言葉遣いの荒い飯綱と道満。そのほかetc…


驚くほどに共通点が多い。疑うのもわかるし、いっそそうであってくれと願う。3人は、もしかしたら道満の私生活の管理を任されるうちに、飯綱に道満が感染ったのではと思った。凛太郎から見ても、学生時代よりはるかにヤンキーである


🍶「飯綱くん…」

🧣「んだよ」


同情の視線でもよこしてやったが、不機嫌そうな顔が返ってきた


☀️「そ、そういえば、なんで正座させられてたんです?」

🐦‍⬛「よくぞ聞いてくれたー!そうーなんだよ…昨日さ、適当にあっちゃんちに色々盗りにいったのよ」

☀️「あなたが10悪いです」

🐦‍⬛「そしたらさ、電話かかってきて。迎えに来いって。そしたらさ、ジジ孫共々酔い潰れてんの」

☀️🍶「…」

🎭🧣「…」

🐦‍⬛「これで6回目」

☀️🍶「…」


完全に、本当に1ミリ…だけしか悪さをしていなかった蘭丸。それを詰めてさっきのさっきまでドヤしていた2人に避難がましい視線を送るが、本人たちは知らぬ存ぜぬだ


☀️「学園長…飯綱くん…」

🍶「それはないで…」

🧣「…そうだったのか」

☀️「?」

🍶「…もしかして、飯綱くん、記憶ないん?!」

🧣「ああ…」

🐦‍⬛「え?」


事実、全く記憶がないのだ。飯綱は、ただ理由もわからず自分の毛を刈ろうとした張本人の前に正座しなければならないことにキレていたのだ。1人全く違う問題世界で生きていた飯綱だった


🐦‍⬛「あっちゃん?まさか、潰したでしょ。止められるからって」

🎭「そんな。可愛い孫にそんなことするわけないじゃないですか」

☀️「絶対嘘じゃないですか」

🍶「こんな老害には死んでもなりとうないわ」

🧣「…あ、酔い潰れたことへのあれか」

🐦‍⬛「君は、いいよ。むしろ被害者でしょ」


蘭丸も十分被害者だが、それよりも、管理を任されているので止めたら記憶飛ぶまで飲まされた飯綱に同情しまくっている蘭丸。道満の(自称)お兄ちゃんたる自分の教育不足だ


🐦‍⬛「よ〜し!!腹いせにはずかし〜あっちゃんの秘密暴露していいよ〜!」

🧣「あとで殺されますが」

🐦‍⬛「あっちゃんをつくってるのは、金・酒・女!!」

🍶「典型的なクズやな」


飯綱の制止をものともせず、暴露していく蘭丸。あーこれはきっと後で止めなきゃいけないやつなんだろうなと、コレからを考えると胃がキリキリし始めた飯綱だった


🍶「でも、僕らそこまで学園長の私生活しらんしなぁ…」

☀️「う〜ん?」

🍶「飯綱くんはあらへんの?」

🧣「…?」

🍶「あかん、思い出しとる」

☀️「が、がんばれ、飯綱くん!!」


晴明は応援しているが、こうなった飯綱の正答率は1割をきる


🧣「…酒によって風呂とトイレを間違えてた。あと、電信柱にひっついてた。ひんやりしてて気持ちいいって。エロ本の付録、カッターで開けるのしくじって中身切った。あと…」


しまった。正答率1割を切るのは勉強だけだった。出てくる出てくる学園長の秘密、というか黒歴史。しかし、ここまで飯綱が何を言っても殴りにもこなければ言い返しもしない道満に4人が違和感を覚え始めたその時


🎭「秦中飯綱3年生の進路希望は俺みたいな大人」




























☀️🍶🐦‍⬛「ゑ😱W(`0`)W」

🧣「〜〜〜?!////////」


🎭「現物見せてやろうか?」

🧣「なんっっ//え?なん、で、」

🎭「お前の嫁がくれたぞ」


荊棘ちゃーーーーーん!!!!!!!学園長の黒歴史を公開するはずだったのに、なぜか自分の黒歴史が公開された飯綱。羞恥からか見えている肌は真っ赤であった


🎭「わりいな。影響させちまって(笑)」

🧣「//」

🍶「趣味わるいなぁ…」

🐦‍⬛「あっちゃん、いじめないであげて…」

🎭「別にいいだろ。なあ?」

🧣「っっっっっっ?!は、え、なにし、」


飯綱が真っ赤であることには気づいているだろうに、道満は飯綱をとことんいじめる。耳元で囁いてやっただけなのに反応がよくていじめがいがある。なんだかんだ1番いじめていて楽しい


🐦‍⬛🍶☀️「クズだ…」


わかった上でなおいじめ続ける道満に、たかはしと同じものを感じた3人。そして、なぜこんな奴を目指してしまったのかわからない。飯綱は、やっぱり止めときゃよかったと遅すぎる後悔をしていた。現在a.m.7時。朝礼ギリギリまでたんまりいじめられた飯綱だった



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コメント

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すいません。なんか最後の文が抜けてたので加筆しました

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