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A2視点
パスカル「未来…ですか?」
A2「いきなりですまないな、一体どこから話せばいいのか…」
パスカル「…本当に……本当に…?」
A2「あぁ…私は全てが終わった世界から…未来からやってきた」
パスカル「…本当に…A2さん…なんですか……?」
A2「…あぁ」
パスカルは泣き崩れた
A2「お…おい!?」
パスカル「すみません…A2さん………」
パスカル「…あの時…あんなことを頼んでしまって……」
A2「…それって…まさか……」
パスカル「ええ…そのまさかですよ」
パスカル「私も…私も未来から来たんです」
パスカル「恐らくは…A2さんと同じ未来から」
A2「…」
A2「村を…守ってやれなくてすまなかった」
パスカル「いえ…A2さんはよくやってくれました」
パスカル「私は…過去に戻った私はこの村を次こそ守りたいと思うんです」
A2「私もそのつもりでここへ来たんだ」
パスカル「A2さん……」
A2「私に出来ることはなんでも言ってくれ」
パスカル「…はい!ありがとうございますA2さん」
A2「そういえば…2Bと9Sはここへ来たか?」
パスカル「…まだですね」
パスカル「私とA2さんの記憶が残っているならあのお2人も残っていそうな気はしますが……」
A2「…子供達は記憶が残っているのか?」
パスカル「…」
パスカルは無言で首を横に振った
パスカル「でも…A2さんだけでも記憶が残っていてよかったです」
A2「……そうか」
少しの間を空けて私は言った
A2「早速で悪いがこの村の防衛について話がしたい」
パスカル「えぇ…そうですね、いつまでもめそめそしていられませんしお話に移りましょうか」
パスカルは「どうぞ」と言い私の席を用意した
私は席に座りパスカルと対面する形で数十分くらいパスカル村の防衛やらなんやらの話をした
A2「だいぶまとまってきたな」
パスカル「これなら村の者たちを全員守れそうです」
A2「…だといいな」
A2「すまん、急用を思い出した」
私は席を立ち出口へ歩いて行く
パスカル「もう行ってしまうんですか」
A2「用事が終わったらすぐに戻ってくる」
パスカル「!」
パスカル「えぇ、気をつけてA2さん」
A2「あぁ」
私は小屋を出て村から出ようとした
子供「オネーチャン!アソンデ!」
子供「チャント待ってタヨ!」
A2「…用事が出来てしまってな……もう少し待っててくれるか?」
子供「エェー?」
子供達「イツ終ワルのー?」
A2「すぐに終わって戻ってくるからちゃんといい子で待ってられたら遊んでやる」
子供「…ウン!マッテルヨ!」
子供達「オネーチャンイッテラッシャーイ!ハヤク戻ッてキテネーー!!」
私は子供たちに見送られながらパスカル村を後にした
用事とは砂漠地帯の地下で特殊個体アダム、イヴと遭遇するであろう2B、9Sとの合流のことだ
正直…9Sは会ったら何をし出すかわからないが……2Bなら多少話が通じるだろう
私は2Bと9Sの記憶が残っているという僅かな希望を胸に砂漠地帯へ走った
砂漠地帯は砂嵐が所々で発生していた
A2「クソっ…前が見えないな……」
前の私ならここで諦めていただろう
だが今の私は2Bの記憶と未来の記憶を持ち合わせた私だ
砂嵐だろうが迷うわけがない
視界が悪い砂道を歩き続けて早く数分
開けた団地に出た
この団地は2Bと9Sが引き摺り込まれるあの地下区画への道がある
団地の奥道に小さな風穴があり私はそこに向かって渾身の一撃を放った
すると風穴は衝撃で粉々に崩れ通れるくらいの穴が空いた
穴の中を進んでいくとあの地下区画に出た
私は壁を滑り落ち地面へと着地する
やけに広い空間が佇んでいた
ここで2Bと9Sはアダム、イヴと最初の戦闘をするはずだ
まだきていないか…もしくはもう来て終わったかのどちらかだが……
考えていると生々しい肉の音が頭上から聞こえ上を向く
するとそこには機械生命体の死骸の繭から体を覗かせているアダムがいた
A2「アダム…!」
アダムは地面に降り立つと声で衝撃波を生み出し威嚇をしてきた
私はすぐさま軍刀を握り奴の腹へ突き刺した
叫び声と共に倒れるアダム
そして倒れたアダムの肋骨からイヴが生まれる
私はイヴを見据え軍刀を構える
イヴは私を見るなりアダムを抱き抱え走り逃げて行った
残された私は2Bと9Sが来るのを待つ事にした
A2「そういや…ハコはあの後どうしたんだろうな…」
A2「私と9Sが相打ちになって『塔』が崩壊して……」
A2「…考えない方がいいかもな」
A2「……2Bには色々と言いたいことが山積みだな」
A2「はぁ…全くなんでこんな羽目になったんだか…」
いつもとは違い独り言が多くなったと感じる
これも2Bの意思を受け継いだ影響か、はたまたあのハコが原因か……
どちらにせよ一度2B、9Sとは話をしなければならない
私は機械生命体の死骸に埋もれて隠れている稼働中の機械生命体に近づき軍刀を突き立てる
すると周囲に溶け込んでいた機械生命体が一斉に動き始めた
私は考えるより体を動かす方が得意だ
もともとプロトタイプのA型モデルは思考回路が必要最低限しか搭載されていないしそしてなにより考えることが面倒だ
今まだの私は仲間を失い、家族を失い、生きる意味全てを失って、ただ仇であるという理由から機械生命体を壊してきた
けれど今は違うとはっきり言える
守りたいんだ
白の契約を手にして私は改めて理解した
仲間を失う怖さが家族を失う痛みが
自ら手にかける恐ろしさが
そんな悲劇を繰り返させぬように私はここにいる
そう思い今も機械生命体を葬っている
A2「私の生きる意味は…」
A2「家族を、仲間を守ることだ」
A2「その程度で私を止められると思うなよ」
A2「私は2Bと違って甘くないんだ」
運動機能を一時的に向上させるバーサーカーモードを使用し機械生命体の群れに私は突っ込んでいった