〈スナ〉
角名「」🌸『』
今日は高校時代の友達と遊ぶから、とびきりオシャレしていこうと思っていた。
着るのを楽しみにしていたミニスカに着替えて、ちょうどメイクを終えた頃、角名が部屋に入ってきた。
『お、りんちゃん!!』
「🌸、これ食べていいやつ?」
角名の手には、大事に取っておいたプリン。
『あぁ!! それ私が楽しみにしてたやつ!』
「ちょっと待って」
不満を言おうとした私より先に、角名がすっと近づいてきた。
「……何、その格好」
『あ! 見てみて、可愛いでしょ』
そう言ってくるっと回って見せた瞬間、いきなり腰を抱き寄せられ、そのまま膝の上に座らされた。
「可愛いけど……俺に見せたことない格好で出かけようとしてるの、普通に無理なんだけど」
低い声のくせに、耳元だけ甘くてずるい。
『そ、そんな言い方しないでよ』
「する。……てか、もう行かせる気なくなったし」
そう言うと、スカートの裾を指でつまんで、意地悪く揺らす。
「ねぇ、これ俺以外の奴に見せる必要ある?」
顔は相変わらず無気力そうなのに、腕の力だけはぜったい離す気がない。
『友達に会うだけだよ…』
「んー。でも今の俺、めちゃくちゃ嫉妬してんの。
🌸がそんな可愛い格好で歩いて、男に見られんの想像したら、まじで無理」
珍しく感情を見せる角名が、妙に胸に刺さる。
「……もういいや。今日は家から出さない」
そのまま抱き上げられてベッドに連れていかれる。
『え、ちょっと、準備したのに』
「知ってる。似合ってるし、可愛いし……だからこそ外行かせたくないの」
角名は私の腰に腕を回したまま、額をこつんと寄せてくる。
「🌸、今日は俺に甘えて?」
冷静なのに、甘えたがりで、重いくらい一途なこの人が本当に好きだと思う。
『……うぅ、でもオシャレまでしたのに、』
「だめ。離さない」
即答。
そして本当に、離してくれなかった。
角名は意地悪そうに微笑んで、私を胸に引き寄せる。
「外より、俺のとこいて。」
そのまま、何度も抱きしめられて、
家の中は、いつもよりずっと甘い空気に包まれていった。
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