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スライム(とアヤの爆発)への恐怖でパニックに陥ったルカは、ナツメの背中にしがみついた際、あまりの指の力強さ(ただの必死)により、彼女の丈夫な騎士服の肩口から背中にかけてを「ビリッ!」と豪快に引き裂いてしまいました。ルカは顔を真っ青にして固まりました。
(やべぇ……! 帝国最強の剣士の服を破いちまった! 殺される、今度こそ真っ二つにされる……!)
しかし、破かれた張本人であるナツメは、露出した肩に感じる冷気と、ルカの荒い鼻息(ただの過呼吸)に、かつてない衝撃を受けていました。
「……っ!? ル、ルカ様……今、私の服を、強引に……?」
ナツメの脳内では、驚異のポジティブ変換が爆速で開始されました。
(あの方はいつも奥ゆかしく目を伏せておられたのに、今の抱擁、そしてこの服を裂くほどの荒々しさ……。これは『もう騎士としての君は必要ない、一人の女として俺に従え』という、野生的な愛の宣告(マーキング)か……ッ!?)
ナツメは顔を真っ赤に染め、震える手で破れた箇所を隠しながら、恍惚とした表情で呟きました。
「……承知いたしました、ルカ様。この破れ跡こそ、貴方様から賜った『愛の印』。修繕などいたしません。一生の宝にいたします!」
「……えっ、いや、ごめん、弁償するから(マジで宝にしないで、怖いから!)」
ルカの謝罪は、周囲の女性騎士たちの耳には「君を独占してしまったことへの、罪な男の囁き」として届きました。
数日後:王都の異様な光景
事件から数日。王都を闊歩する女性騎士たちの姿を見て、ルカは目を疑いました。
なんと、すれ違う騎士たちのほぼ全員が、ナツメと同じ位置、同じ角度で自らの騎士服の肩口をビリビリに破いていたのです。
「……な、なんだあれ。今の流行りか? パンクファッションか?」
困惑するルカに、ナツメが(破れた服をそのまま着て)誇らしげに報告してきました。
「ルカ様! 見てください! 貴方様が私に施してくださった『愛の印』……今や『アシュフォード・スタイル』として、全女性騎士の間で爆発的に流行しております! 皆、貴方様の荒々しい愛に憧れ、自ら服を裂いているのです!」
さらに、通りかかった女性騎士たちが、ルカの前で一斉に膝を突き、破れた肩を強調するようにポーズを決めました。
「ルカ様! 私の肩も、いつか貴方様の手で直接引き裂いてください!」
「公爵様! 次の演習では、ぜひ私のマントも強引に……!」
ルカは「(やだあああ、俺変態だと思われてるじゃん! 肩フェチの公爵様だと思われてるじゃん!)」と頭を抱えてしゃがみ込みました。
しかし、その「頭を抱えるポーズ」すらも、「あまりに多くの女性に愛を求められ、罪悪感に苛まれる慈悲深き貴公子」として画になり、背後ではアヤが「なるほど、肩の露出による士気向上効果を計算されていたのですね……さすがです」とノートに書き込み、ミナが「あらあら、皆さんお盛んですこと。でも、ルカ様が最初に破いたのは私(の予定)ですよ?」と聖母の微笑みで圧をかけるのでした。
こうしてルカは、ただ「怖くてしがみついた拍子に服が破けた」だけで、帝国の制服デザインを(物理的に)破壊し、全女性騎士の羨望の的となる「強引な愛のカリスマ」として君臨することになったのである。