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いかに誰の人生の背景になれるのか

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いかに誰の人生の背景になれるのか

3 - 第三幕  困惑と興奮は紙一重なのではないか。

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2026年01月15日

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なぜ、現実の柳原もソレ・・を持っている?でもよく考えれば夢なのだから現実で一回でも見たものは夢に出てくる可能性だってある。でもあのぬいぐるみキーホルダーのことを僕の記憶が確かなら現実では見たことがない。

「正夢」というのが正しいのかは分からないがあの夢はなにか意味があるのではないかと思ってしまうのは必然的なことだろう。

様々な説を推測していると教室に居る蕗谷の口からボソッとその言葉は放たれる。

「ごめんな、晴也はるや

晴也という名前は聞いたことがなかった。しかも蕗谷は謝っている。その言葉はこころなしか寂しそうでいつもの蕗谷の口からでたとは思えないようなか細い声だった。

そしてその声は伝えたい人に届くはずもなく教室の沈黙に消えていく。すると蕗谷が教室をあとにしようとしたので僕はとっさに隣の教室へと身を隠す。そのときの僕の心臓は飛び出るんじゃないかと思うぐらいうるさかった。でもそれは困惑ももちろんあったと思うがそれ以上に興奮していたと思う。たぶんそれは、この出来事が僕の色のない人生を少し色づけてくれるような気がしたからだ。


その日の夜、僕はまた夢を見るために早めに就寝した。

未だ胸は高鳴っていて少し名探偵にでもなったような気分だった。こんな気持ちは僕にとって初めてだった。



その日の夜、夢は見た。見たんだけど、蕗谷の夢ではなかった。今日の夢は…僕の父親が出てきた、父親は向こうを向いて立っていた。何もない空間でただただ、それだけの夢だった。父親は、 今は単身赴任中らしいけど言ってしまえば父親は僕らに暴力を振るうようなクズ野郎だった。僕はもはや単身赴任すら怪しいと思っている。ちなみに母親は父が出ていってから不倫三昧で家になんて何ヶ月か一回に帰ってくるか来ないかみたいな人だった。しかも帰ってきたときはきつい香水の匂いと酒の匂いで鼻がイカれそうになった。もちろん母親との会話はない。でも母親には別に感謝もしている。一応家賃とかは払ってくれてるから、食費は帰ってきたときに机に置かれてたりするし。(足りないからバイトしてるけど)

それはそうと、なぜ父親が出てきたのだろうか。

今回のは普通の夢だったのだろうか。


〜いつもと同じに見えて少し違うようで〜


次の日から僕は蕗谷をよく観察するようになった。 昨日のぬいぐるみキーホルダーは一度も見ていない。というか今まで一回も前に出したことがなかったし、カバンにつけているわけでもなかった。そんなに見せたくないのかもしれないな…だとすればやはり昨日の蕗谷の言動が気になる。

―晴也。とは何者なのだろうか。授業中は蕗谷のこととまだ未知なところの多い正夢にも似た奇妙な夢に関してノートにまとめていた。

ただ今のところ蕗谷の夢はあの一回だけなのでまだまだ信憑性は低い。

昼休みは阿多部と佐々木と昼ご飯を食べ雑談に勤しむ


「やっぱりさー蕗谷きついよなー」

佐々木は口いっぱいにコンビニパンを頬張りながら言う。

「おい食いながら喋るな」

すぐさま佐々木が口を挟む、阿多部は、はいはいーとムスッとしながらパンを食べる。

最近はこいつらの性格がだんだんわかってきたような気がする。そしてこの二人といるのは案外居心地がいい。

阿多部はパンを飲み込むと

「そういえば、柳原最近ちょっと楽しそうな顔してるよなー」

「思った。」

突拍子もないことを言われ僕は少し驚いて答えた。

「そう?」

「なんか、顔がちょっと明るいっていうかー…え、もしかして彼女が…」

「出来てない。」


いかにも高校生らしい会話でこころなしかこの時間が少し楽しいと感じた。それと同時に来年までで関係が切れてしまうのは少し惜しいと心のどこかで思ってしまった。


…それを紛らわせるように早く蕗谷の真相を突き止めよう。そう僕は心に強く決めた。

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