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荒れ狂う波が土佐湾を包む中、長宗我部元親の軍勢と島津義久の軍勢が激突していた。南国の静けさは、武士たちの雄叫びと激しい刃のぶつかり合いでかき消され、海は血に染まる戦場へと変貌していた。
「この土佐は長宗我部の根幹!決して奪わせるわけにはいかぬ!」
元親は海戦に慣れた兵を率い、島津軍に対抗していた。島津の火縄銃部隊が優れた精度で攻撃を仕掛ける中、長宗我部は潮の流れを読んだ巧妙な戦術を展開する。突如として発動された奇襲が島津軍の陣形を崩壊させ、形勢は逆転の兆しを見せた。
「長宗我部…貴様、ただの地方勢力ではないというのか…」
義久は舌を巻きながらも反撃を試みるが、長宗我部軍の結束は揺るがなかった。元親は島津軍の指揮系統を見抜き、的確に主力を叩き、ついに島津軍は退却を余儀なくされた。
戦いに勝利した元親はその勢いのまま四国を完全に掌握し、さらに島津の影響下にあった九州にも進軍を開始した。南方の覇者が、かつて「辺境」とされた地から天下を狙う足音が響き渡る。
「今や我らの敵は本州にいる者どもだ。次なる戦場は…天下そのもの!。
その頃、武田信玄の本拠地では不穏な動きが始まっていた。織田信長が送り込んだ忍びたちは、武田家中枢の情報を集めつつ、さらなる混乱を引き起こすための準備を進めていた。だが、それだけではなかった。
「謀反の兆しあり…」
家臣たちの間で囁かれる不穏な噂。信玄が長年信頼を寄せていた側近の一人が何者かに内通しているという話が、徐々に広まりつつあった。武田家の絆を試す運命の瞬間が迫っていた。
京都では上杉謙信が朝廷とのさらなる結束を深め、次なる動きの準備に入っていた。信長の策略、武田の不安定な内部状況、そして南から迫る長宗我部の脅威――日本全土を巻き込む嵐の中心で、謙信は冷静に未来を見据えていた。
「我らが守るべきものは、ただ朝廷の平穏ではない。この国そのものだ。」
謙信の決断が、さらなる動乱の火種となる予感が漂う。
第十話「武田の危機」
武田信玄の本拠地で起こる謀反の兆し。信玄はその火種をどう消し去るのか。一方、長宗我部元親は本州侵攻を見据えた次の一手を準備する。そして、上杉謙信が朝廷の意を受け、天下を平定するための大計画を打ち出す。その裏で信長の暗躍は続き、三つ巴の争いはさらなる激化を迎える――次なる戦場はどこか!?