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最初の印象はデカいくせに暗くて寡黙なやつ
それと同時に、『早死するんだろうな』
そう思った
アキラ、そう名前を呼ばれて黒髪の青年は足を止めた
そいつは明るい笑顔を浮かべると呼びかけられた場所に振り返った
ただ一言男は『お前に部下を与える』
そう告げた
再び歩き出した男にアキラはついていく
音も立てずにその部屋の扉は開いた
部屋に入ると人が一人だけ立っている
最初はそれがなんなのかすら認識が出来なかった
ただ雰囲気がなくてまるで人形のようであるかのように、、。
アキラが瞬きをした瞬間にそれは視線を動かす
視線がそれと合うと一気に背筋が凍った
人形じゃない
すぐに臨戦体制に入ったがもう遅い
気付けばそれは直ぐ目の前にいた
「動き遅っそんなんだったら君もう死んでるよ」
彼の声はおもったよりも高いキーでどこか反抗期の子どもの様な話し方でも不思議と腹が立たないだがその言葉が私は気に食わなかった
男はアキラに彼の素性や能力をまとめたファイルを一つ手渡した
みたところ年齢は違わない
髪は、……、?染めているのか派手な色だ
目の色は綺麗な赤、カラーコンタクト…
と言うわけではなさそうだ
何だ…?腰、腕、脚、にもなにかある
ナイフ?。それ以外の場所にも暗器を仕込んでいるようだ
全身武装とは暗殺者らしいドレスコードで
パラパラとそのファイルを見たが生年月日身体データ過去の功績その他沢山の名前が書いてある
彼に、名前は?そう問うと淡白に
『好きに呼べば?』
そう帰ってきた
まるで他人のことのようにそれが帰って私の気を損ねる。
「じゃあ名前つけます」
そう私も淡白に返した。
最初に目についた一番下に書いてある名前を口にした。
「セラフ・ダズルガーデン」
「それが今日からお前の名前な」
気だるそうにセラフは返す
「はいはい、」
その言葉に続けるように私が言う
「買い物に行こう」
セラフは初めて作った顔ではない顔で
はぁ?と返した
街はいつもどうりの賑わいだ
人は右へ左へと流れていく
流されるような人混みのなか迷わず彼は私の後ろについてきていた。
生活雑貨などこれからの生活で彼が必要になるようなものを買い揃える私はいろいろな店に入り彼にこれはどうだ?あれはどうだ?と問う
その質問に彼はいいんじゃない?とかそれでいいよとか適当に返しているのが丸わかりだ
それでもその言葉だけで私は良かった。
彼は苦笑を浮かべたがどこか楽しげだった
「飯食べましょうよ、何食べたいですか?」
顔合わせのつもりで出向いた本部から連れ出され店から店へと流されてようやく開放されると思いきや次は飯かと言わんばかりの顔をする。
それでもアキラは笑顔を作った
「やっぱり肉ですかねお前身体デカいし」
一人で昼飯でも食べるのならばきっと適当な店のチェーン店で済ましていただろうが例え彼が気乗りしてなくともつれはつれだ。
「この辺りに良い店があるんですよ」
私のおごりですからそう言いまたニッコリと笑う
彼は何も言わずについてくる別に約束とか契約とか命令でもないんだし嫌なら取っとと帰ればいいのに。
こういうところが律儀というかなんというか彼が少し幼く見える要因なのかもしれない
カランカランとベルの音を立てて扉が開いた
店内は明るくお昼時だと言うのに以外にも人が少ない。
出入り口に近い周りからはあまり見えないような席に座る。
なんにします?そう言いアキラはセラフにメニュー表を渡す。彼はメニューを一通り見るとパタンと綴じて君と同じのでいい。そう返した
アキラはこいつ選ぶことをやめたな…?
そう思った。
「店、どうでした?」
「人がたくさんいた」
そんな身も蓋もないような回答
そんな話に私はへぇとかうんとかそういう適当な返しをするそれと同じく彼も同じ様な返しをした
私達の会話にはそれで十分であった。
しばらくすると料理が運ばれてきた食べている間はお互い何も喋ろうとはしなかった
ようやく今日が終わった。そう思いながらセラフは部屋にそないつけられているベッドに身を伸ばした
あの四季凪とか言う可笑しなやつにやっと開放された
今までは顔を合わせたらはじめに能力の確認などをさせられていたので急に買い物に行こうなどというあいつの言葉には驚かされた
今寝転がっているベッドが軋まないのもそのベッドから足がはみ出すこともないのも昨日とまるで違うことを表しているかのように
1日に誰かと食事を2回も取ったコトなんか初めてだあのあと結局晩飯まで一緒に取った
別にあいつにとって俺はどうでもいいんじゃないのか?
あいつは俺のベッドがからだに合って無くても
日用品なんか俺がろくに持って無くても
全部どうでもいいはずだ。
四季凪アキラ今日からボスになった男…
変な奴だよな
口を開けば人の心配ばっかりでどうでも良い相手にわざわざ世話を焼く、感情の忙しい奴だ。
俺がヴァイオリン弾くって言ってもなんにも言わなかったし、
普通の奴ならそんなことしなくていいとかそれよりもっと技術を高めろとか言うのに
まっ、やめろって言われても弾くからね
そう思いながらセラフは昨日とは違いシミがない天井をみあげていた。