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目が覚めると刑務所のような場所に座っていた。
周りには他の人も居たが、
人間とは言えない容姿だった。
1人は四股がぐちゃぐちゃで性別が分からない奴。
もう1人は耳がりんごのようになっている女の子。
そして隣に居たのは青い毛むくじゃらに覆われた….
多分男の子。
クッキーモ○スターみたいな…。
何も音が無い時間が過ぎ去り、
この場所の管理人みたいな人が
ドアから出てきた。
その人に着いていくと途中で1人の人とすれ違った。
その人は私たちの顔を見た後
私の耳元でこう言った。
「気をつけてね」と。
笑いながら、
とても人間じゃないような声で、
そう言った。
案内された場所は
沢山のガラスケースに囲まれた間だった。
そしてガラスケースの中を見ると、
中に何かが居るものや居ないものがあった。
でも、私はこの中に居るもの…
いや、モンスターを全員知っている。
右端の1番と書かれたガラスケース内には、
全身土だらけで四角い化け物が居る。
こいつは何もしてこないが、
ただただこちらを見つめてくるという。
その隣の2番と書かれたガラスケース内には
ハダカデバネズミが巨大化したような
モンスターが居る。
こいつは何でも噛んでしまうという特徴があり、
多分いつか脱走するだろう。
その隣の3番と書かれたガラスケース内には
小動物が沢山遊び回ってるような姿が映っていた。
だが、メインはそれではなく、
後ろの土にある小さな穴だ。
これは生物が穴に近づくと、
大きな音と共に首から上が無い、
泥だらけの人間のような化け物が出てきて
あっという間にその生物を跡形もなく
食べてしまう。
しかもこいつは厄介なことに、
穴から穴へ移動する際は透明になる。
こんなガラスケースなんて
いとも簡単に壊された脱走されてしまうだろう。
その隣の4番と書かれたガラスケース内には
1番の上位互換のようなモンスターが居る。
容姿は1番のモンスターと同じだが、
違うところは大きさが違う点と
生物を死ぬまで追いかけて、
その生物が死ぬとただただ遺体を見つめるという点。
こちらの方が明らかに危険だが、
こいつは1番謎で気づいたら脱走しているのだ。
そして5番と書かれた部屋に居るのはクジラだ。
大きな半地下のような水槽があるが
上の部分は開いている状態。
そしてこのクジラは定期的に鳴くんだが….
とても不気味な声で鳴く。
しかも絶対に近づいてはいけない。
あのクジラは透明で姿が見えないから
何をしているか分からないのだ。
もしかしたらこちらを見ているかもしれないし、
はたまた喰われる直前なのかもしれない。
そんな5番の部屋の入口には扉がない。
あのクジラなら普通に脱走するだろう。
地上だから呼吸が出来なくて死ぬのでは?
と思うだろうがあいつは地上に出ると
空中を泳ぐ特性を持っている。
だからどうしようもない。
そんなことを考えていると
急にガラスが割れた音が辺りに響き渡る。
割れたガラスケースの番号は3番だった。
しかも嫌なことにガラスを割った犯人は
小動物ではなく、穴の中の化け物だった。
そしてもう1個嫌なことがある。
それはその割れたガラスケースの前に
四股がぐちゃぐちゃな奴が居るということ。
『きっと喰われる』そう思った矢先、
バキバキという骨が砕かれる音が響き、
共にぐちゃぐちゃという音が耳に残る。
1番怖いのはこの光景を見ても
一切恐怖心を抱かないというもの。
それよりも遂に脱走してしまった。
途端、辺りが少し暗くなったような気がした。
真っ暗になられるのはかなりまずい。
なぜならこのガラスケース内にいるやつは全員
そういえば耳がりんごのような少女は
どこに行ったのだろうか。
辺りを見回しても隠れている気配も無い。
「ねぇ、耳がりんごのような少女、見てない?」
私は恐る恐るクッキーモン○ターのような奴に
聞いた。
「….最後に見たのはクジラの部屋だったはず」
クジラの部屋….。
じゃあもう喰われたかもしれないってことか。
そう思うとかなり状況はまずいかもしれない。
「ねぇ、俺ってさ君からどんな風に見えてるの?」
私が考え事をしていると急に話しかけてきて
驚いた。
「青い…クッキーモン○ター……」
そう私が呟くやくように言うと
「俺はお前がピンクのクッキーモン○ターに見えるけど?」
「え?」
ということは、
あの四股がぐちゃぐちゃの奴と
耳がりんごのような少女と
この人間だと主張する青いクッキーモン○ター
は本当は人間だってこと?
多分お互いに相手がモンスターに見える仕組みになっているのだろう。
だとしても四股がぐちゃぐちゃな奴と
耳がりんごのような少女は彼にも見えていた。
なぜ私と彼だけほぼ同じ見た目なのだろうか。
その瞬間、
パリンッという耳を刺すような痛い音が響き渡る。
それは全てのガラスケースが割れた音だった。
もちろんクジラの半地下の水槽も。
そして何故か1番のモンスターが
こちらに向かってきた。
1番のモンスターが私を見るなり
「▒bぁ█☆@&#%ょべ*<\;”$€?」
という訳の分からないことを発した。
それとほぼ同時に辺りは真っ暗になった。
これは本当にやばい。
だって脱走しているから
この空間に化け物たちは確かに居る。
が、暗すぎて何も見えない。
「こっち来て!」
そう言いながら私は奥の細道に案内する。
さっきまでこんな道無かったのに…。
「なんでお前、アイツらと話せるんだ?」
アイツら?
話せる?
何を言っているのだろうか。
さっきはモンスターに何かを言われただけで
私は何も言っていない。
そう私が困惑していると
「俺にはお前がモンスターに向かって “ まだ逃げるのは早すぎだよ ” って笑いながら言ってたけど…」