コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
日本が昔のことを思い出して気持ち悪くなっちゃうお話。
社会科ほぼエアプなので内容が滅茶苦茶。
いつのことだったか。
私が世界の嫌われ者だったのは。
「…アメリカさん」
布哇比海戦…
あの時から彼が私を見る目がよりきつく怖いものになっていた。
恋も知らなかった時代を、私は国のためとして使った。
勝てば全てが手に入る。
全て…
今思えば、それが何をさすかなんて私が一番知らなかった。
手に入るかも怪しいものを求めて、何もかも我慢して、何もかも捨てた。
それで手に入ったものは?
一体何だったのだろうか? それは、私の心の空白を満たしてくれるものだったのか。
それとも、私の心の空白をさらに広げるものだったのか。
少し時が進んで。
一つ頭に入ってきたことがある。
街中から笑顔が消えた、と。
戦況なんて嘘だらけで、正しいことを言おうものなら非国民と罵られる、と。
みんなわかっていただろうに。
こんな状況で勝ってるなんて思えないし。
すっ、と煤けた街並みが頭に浮かんでは、どうしようもない吐き気に苛まれた。
『…大丈夫。きっと兄ちゃんは帰ってくるよ』
励ましの声が震えていたのは、小さな子供でもわかるらしい。
また時が進んで。
もっと早く全てを終わらせていればよかったんだ。
そう思った瞬間には、目の前が見えなくなる。
そこは地獄になった。
体の中から焼けて、無くなって。
キノコ型の雲が頭の中に浮かび上がって。
頭も心も焼けてしまいそうなほどに、私に襲いかかった。
……気づいたら、私はそこに倒れていた。
気づけば全てが終わっていたらしい。
明らかに様子のおかしい私をアメリカ側の兵士が看病していてくれたらしい。
『負けたんだ』
口にすれば何故か笑顔になっていた。
それは地獄からの解放に喜んだからなのか?
でも涙はこぼれていた。
兵士は起き上がった私にお湯の入ったカップを手渡し、私はそれを啜る。
口に含んだそれは、お世辞にも美味しいとは言えなかった。
それでも何故か心は暖かくなった気がする。
……ほんの少しだけど。
今度はきちんと味のある、涙が出た。
―――ピコン
「っ…」
連絡か。一体誰から…
『よう日本。今度ヨーロッパの奴らと飲むんだが、お前もどうだ?』
アメリカさん…
相変わらず、彼は無遠慮にメッセージを送ってくる。
「…ふふ」
彼らしいな、とおもいつつ私は行きたいです、とメッセージを送り、しばらく彼とのメッセージを楽しんでいた。
いつか、私も昔のことは笑い話にできるだろうか。
……多分、無理だろうな。
それでも私はきっと笑って過ごすのだろう。
だってそれが、一番平和に繋がると、私が一番知っていたから。