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花音🦋
48
307
けだま15号🍓🐾໊
540
#ホラー
KOKO💖💫🦊
14
ある夏の日。普段と何も変わらないいつも通りの教室は、ただでさえ暑いというのに溢れかえるクラスメイトで余計に暑くなっていた。
「ねね、大丈夫?具合悪そうだけど。」
「…あ、ごめん、ちょっと考えごとしてて。」
一神有朱(いちかみありす)。私の親友で、眉目秀麗、文武両道な天才肌。私にはもったいないくらいの人だ。
「ねねは本当にずーっと考え事してるよね。私、ねねが何考えてるか知りたいよ〜」
有朱は私のことを『ねね』と呼ぶ。なんでも私が猫宮音見(ねこみやねみ)だから頭文字をとって『ねね』なんだって。
「ね〜ね〜!!!私の話聞いてる?」
「あ、ご、ごめん、聞いてなかった…」
「今度の日曜日の夏祭りなんだけど、うちの神社の運営手伝ってくれない?」
ありすちゃんは一神家の長女で、家の神社のことを手伝ってるんだって。私たちの地域で行われる『あばれ祭』の主催もしてるらしい。結構規模大きい祭の主催に私が関わっていいのかな…?
「私でいいんだったら、やるよ。」
「本当に!?いいの!?やったー!ありがと、ねね!」
「そんな喜んでくれるんだったら、本望だよ。私は何をすればいいの?」
「ねねはね〜、私と一緒にあばれ祭で使う神輿の準備をしてほしいんだよね。結構重いし、数もたくさんあるし。」
「確かに、毎年すごい数あるよね。ざっと50個くらい?」
「そうそう。ちっちゃい地域の祭りなのに、結構しっかり準備するよね〜。」
私たちの地域で行われる『あばれ祭』。この祭は、この一帯の人が自分の上半期の後悔とか、消し去りたい記憶とかを自分の思い出の品に込めて燃やす。燃やすときに、[こんな自分、燃えてしまえ!]って、あばれまわりながら思い出の品を火の中に投げ入れるから『あばれ祭』って言われてるらしい。思いの込め方とか、あばれまわってる所が不気味だから、オカルトが好きな物好きがわざわざ見に来るとか来ないとか。
「そういえば、毎年神輿って、なんで用意してたんだっけ?自分の負の感情を燃やすなら、神輿なんて要らないと思うけど。」
「ん〜とね、会社とか、学校とか、団体で何か燃やすときはまとめて神輿の中に入れて神輿ごと燃やすの。会社全員のノートパソコン入りの神輿とか、学校中の生徒の髪の毛を束にして持って来る先生とか、普通にいるよ?」
「…そうだったんだね。意外と燃やすものは自由なんだ。」
「本当、そのせいで神輿が重くなるのに。とにかく、自分たちの負の感情を燃やせればいいらしい。」
不満そうに言うありすちゃんの顔は、どこか私じゃないどこかを見つめていた。
「とりあえず、何をすればいいか分かったよ。日曜日に神社に行けばいい?」
「…あ、うん。日曜日18時に神社に来て。」
「分かった。じゃ、また日曜日ね。」
「うん、日曜日ね!」
何故かは分からないけど、ありすちゃんの顔が、夕日に重なっていつも以上に暗く見えた。
「…んね、…………んで。どうか、………ね、ねね。わた…………。」
コメント
1件
これは面白い設定だなあ。負の感情や後悔を「燃やす」という発想自体、すごく心に刺さる。それをお祭りという形で昇華して、しかも神輿ごと燃やすっていうのがリアルでゾクッとした。ラストのありすちゃんの様子、夕日に暗く見える描写と言いかけて消える言葉……絶対何か隠してるよね。この世界観のルールと、二人の関係がどう動くのか、すごく気になる。 次、絶対読みます。