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歩んだ旅路に花束を。

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歩んだ旅路に花束を。

2 - 第2話 −ムギワラギク−

♥

7

2024年04月01日

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微死ネタ表現アリ⚠‥??



ーー

耳馴れた機械音が、部屋に鳴り響く。

いつもと何の変哲もない朝。

くぁ~、と一つ欠伸をしてベッドを降りた。


「‥さっむ、」


3月といえど侮れない。

足からじわじわと感じる冷たさは、3月下旬の気温とは到底思えない寒さである。

取り敢えずスリッパを履きキッチンへ向かう。

カチッ、とコーヒーメーカのスイッチを押してそのままヒーターのスイッチも押す。

今日の朝飯は何にしよっかな、なんて言葉が出てきたけど、生憎、俺の家にはパンしかないのでパンにします。

トースターにパンをぶっこんで焼く。

その間にヨーグルトやらフルーツやらをテーブルへ持っていく。

だいたいこのぐらいにコーヒーができるからそれをコップへ移して、残りは冷めるまで置いておく。

因みに俺はブラックよりカフェオレ派。

(↑主の勝手な妄想です。)


「モグモグ、あ、」


出来上がった朝食たちを口に運ぶ。

その時、ふと目に入ったのは、壁に掛けてあるカレンダー。



〈9月14日〉



今日の日付。

そこには赤いペンで丸がつけられている。


「…そういえば今日は、誕生日だったな。」


大事な日、と気づいたらそこからは早かった。

顔洗って、歯磨きして、身嗜み整えて。

あっという間に玄関で靴を履いていて、なんだかよくわからないけど、自分でもびっくりしてる。たぶん。

玄関の扉を開ける時、いや、玄関だけに限った話じゃないけど。

その先にはいつも、変わらない景色がある。

でもその景色は隣に立つ人によって変わるんだと。

いつの日だったか、教えてくれた人がいた。


「…ほんと、癖ついちゃったよ。苦笑、」


その人の真似をしていくうちに、癖がついてしまっていた。

…..。

早く出よ、そろそろ開店時間だし。


向かった先は花屋さん。

数年前から通い詰めていくうちに、店員さんに顔を覚えられた。


「いらっしゃいませ~。って、”ガーベラ君“か。」


この店員さんは常連さんのことを花の名前で呼ぶ。

その人がよく買う花の名前で。

俺はよくガーベラを買うから、というかガーベラしか買わないから、ガーベラ君。


「はい笑。」

「今日は〜、 あ。あの日だったけ?」

「毎回思いますけど、よく覚えてますよね。」

「記憶力が良いもんでね。いつもので良いかな?」

「はい。ガーベラ3本、ください。」

どうしてガーベラで3本なのかって?

それはまた今度ね。

それ以前に何で花束?ってなる人もいるか。

まぁまた今度、知る機会はあると思うから。

そこでね。


「はいどうぞ。いつもの色で良かったわよね?」

「はい。毎度毎度ありがとうございます。あ、代金これでお願いします。 」

「丁度お預かり致します。またいつでもいらっしゃい。ニコッ」

「ありがとうございました。ペコッ」


花屋さんを出て、車に乗り込む。

これから向かう場所が、本当の目的地。

彼が好きだった曲を流しながら車を発進させた。



2、30分車を走らせると目的地が見えてきた。


ザリ、ザリ。


砂利が敷かれた道を歩いている俺の足音が大きな音に聞こえるくらい、周りは静けさを放っている。

ただ、どんどん歩くに連れ、その静けさは明るい声に包まれるようになくなっていった。


「‥やっぱり、今回も被んのな。笑」


明るい声の正体は俺の親友達であった。

高校時代、ある共通点をきっかけに中を深めていったのがよく記憶に残っている。

みんな、彼奴の誕生日を祝いに此処へやってきたのだ。


「自然と、わかるのかもね。だって、僕らだし。笑」

「そうだね。笑」

「もう、あれから5年も経ったんだよ。早いね、時間の進みは。ね、”元貴“。」



『大森家之墓』



今日は、元貴の23歳の誕生日。

俺と、涼ちゃんと綾華と高野。

高校時代、元貴を含めた5人でよく遊びに行ったりしたものだ。


….さて、そろそろ気になってきたよね。

俺等が出会う前と、出会った後の話。


そして、



元貴のこと。



ーー

いよいよ本編スタートしましたね~。

誰が今話しているのか、想像しながら読み勧めてくれるとより面白いかなと思います。


そして、ムギワラギクの花言葉は


・記憶

・永遠の記憶

・永遠の思い出


ですね~。


あ、ここまで読んでくださった方

ありがとうございました。

基本的に最後に主のコメント的なのを入れているので、読みたかったら気ままに読んでください〜!

コメントとかハート押してくれると喜ぶので、是非お願いします((




歩んだ旅路に花束を。

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