???D「そろそろ諦めたらどうだ、アカシック?ここではお前の能力……奇跡の力を使うことができない」
アカシックは息こそ切らしてはいないが、勝ち目がないことに気づいていた
???Dは余裕がある表情をしている
「お前……何故だ?何故俺の力を抑えられる?只者ではないな?」
アカシックが問うと、彼は笑っていう
「そんなに不思議か?そうだな……まあ教えてやってもいいだろう…どうせお前はあの方に利用される運命だからな。俺のスキルは、『聖力妨害』さ。精霊の力などを無効にする効果がある。アカシック・レコードよ、お前は精霊だろ?だからだよ。それに精霊と戦うのは俺は初めてだ。精霊王と戦えるなんて光栄だよ」
「……待て、『あの方』とは誰だ?」
「お前のよく知っている奴さ」
「は……??」
「ほら、喋っているから隙がありすぎだぞ??」
と彼は言い、アカシックの手首を掴んで投げ飛ばした
「うわ!!!!」
床に強く叩きつけられた
彼はあまりの痛さに彼を歪めた
「〜っ………!」
彼はアカシックに歩み寄り、手首を掴もうとした
バチン!!!
???Dにアカシックは激しくビンタを喰らわせた
「触るな」
そして???Dをじっと見据えながら言った
「俺のスキルが使えないだと?もう一度やってみなければ分からないじゃないか」
???D「はあ……何度言っても無駄か」
2人が戦おうとしてたその時
静止の声が響いてきて、声の主が姿を現した
アカシックは驚き、現れた人物を見た
(ビリーヴァ……?兄さんの名前と一緒だ……え…?生きてた……?どこかに連れて行かれて、殺されたんじゃ……?)
彼がそう思っていることに気づいたビリーヴァは言った
「勝手に殺さないでくれるかい、アカシック?久しぶりだな……200年ぶりか?そうだな、確かに殺されそうになった。僕の持つ力は『世界の法則を捻じ曲げる』ことができる。悪魔の力と呼ばれているものだ」
ビリーヴァはゆっくりアカシックに近づいてきた
「僕の力は、レコード家一族にとって最も危険な力だった。世界の法則を捻じ曲げることができると言うことは…お前は左足に銃弾によるダメージを負っただろ?レコード家一族は物理攻撃無効だったよな?お前は勘が鋭いから分かるはずだ」
アカシックは悟った
「まさか……!今まで散々に邪魔をしてきていたのは……!?兄さんだったのか!」
「正解だ。勘がいいのは昔から変わらないね」
アカシックはたまらなくなって叫んだ
「何で月見たちを巻き込んだんだ!俺だけで時間軸を移動している時にやればよかっただろ!?何でそんな真似をしたんだ!?」
「聞いたんだから何を言われても耳を塞がずに聞けよ?……それは、興味があったんだ。後は……リリックだ。本当ならお前とリリックを一緒に使ってやろうかと思ったんだよ。だが、失敗した。お前はリリックに移動の仕方を教えただろ?全く、余計なことをしてくれたよ。本来ならお前ら2人を仲良く……」
アカシックは静かに怒りながら問う
「もう一つ聞くが、まさか俺たち以外の家族を殺したのは……兄さんか??……いや、お前のせいで父さんと母さんは死んだのか!?他にも兄弟が3人いたはずだ!!全員殺したのか!?」
ビリーヴァは笑いながら即答した
「ああ、そうさせてもらったよ。アイツら、僕を殺そうとしやがったんだ。僕にはお前とリリック以外、必要がなかった。……世界の法則を変えて、物理攻撃を有効にさせてもらったよ!!!それから思うままに気が済むまでナイフで兄弟たちとかを滅多刺しにしたさ!!あいつらが泣き叫んでいたのは愉快だったよ!!!!アハハハハハハハハ!!!!!!…そしてお前が持つ奇跡の力は、本来レコード家の伝承の力にはない力だった。僕がお前の能力を書き換えてやったのさ!お前の能力は元々は……世界の法則をリセットして元に戻す能力だった。それをみて僕は……いや、私は焦ったよ。せっかく私の建てた計画を邪魔されたらたまらないと思ったからね。だからお前の能力を消して、ランダムな能力にしたら……運の良いことに、奇跡の力を持ってお前はうまれて来たんだ!!!奇跡の力持ちは、0.000001%の確率でしか生まれて来ないからな!!!」
アカシックは震えながらビリーヴァを睨んだ
「許さない……自分が世界を支配したいからって……こんな事をするなんて……!母さんと父さんはお前の野望に気づいたから殺そうとしたんだ!俺の前で言っていた!『ごめんね、ビリーヴァ……』って!お前に滅多刺しにされた後も痛みに耐えながら最後の力を振り絞って言ったんだ!最後の最後までお前に謝っていた!!俺は……俺はリリックと大声で泣いたんだ!!朝から夜まで!!それからどれだけ俺とリリックが寂しい気持ちで生きてきたのか分かっているのか!?!?!?!?」
ビリーヴァは聞く耳を持たなかった
「知るか。秘密を知ったお前を洗脳させてもらう……!」
「……!?頭が……痛い……割れそうだ……うっ……あっ……!」
「あともう一個教えてやろうか?僕の秘密の特性は……人を洗脳できる能力だ。お前を殺さなかった理由も教えてやるよ、こういうことに適していそうだったからな!!」
そう言って別の方向を向いた
「この野郎……覚えてろ!俺が……お前を……殺してやる!!」
ビリーヴァは彼を見た
彼は先程までの反抗した様子は全くなく、ただ虚空を見つめている
「今僕を殺してやると聞こえた気がするが……気のせいか。おいで、アカシック」
彼は駆け寄って来た
そしてビリーヴァにぎゅっと抱きついた
「良い子だ」
ビリーヴァは吐き捨てた
「本当に純粋なやつだよ」
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