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澪
54
六話 血塗られたドレス
トイレ
メアリはハンカチで手を拭いている広子に顔を向け小首を傾けて尋ねる
「ねー広子 今日偉く上機嫌じゃない?」
広子は少しだけ目を見開いたが小さく微笑む
「…そっか そう見えるんだ バレてたかぁ」
どこか誇らしげなトーンで呟く
美香は手を後ろに組み楽しそうに踵をトントンと鳴らす
「顔がにやけてるよ〜 何かいい事あった?」
「実は今週の日曜日にウエディングドレスの試着をするの 昔からの夢だったから…すごく楽しみで」
とこれ以上ないほどの笑顔を向ける
バンッ!!
背後の扉が開くとそこにはしおりの姿が
しおりはズカズカと広子に詰め寄りむぎゅっと手を握る
「いいなぁ〜!いいなぁ ウエディングドレス…!広子さん美人だしスタイルいいし絶対似合うよ〜!」
「いや…手洗っ…」
広子の言葉は遮りしおりはグイグイと迫る
「結婚式招待してね!絶対よ!約束だからね!」
昭子もひょっこりと現れ手を洗いながら御祝儀の話を大真面目にしだした
「いやいや まだ試着の段階だから!」
とツッコミつつも自分の幸せをこんなにも祝ってくれる人がいることを知り胸がいっぱいになっていた
あの女にこの会話を聞かれていなければ……の話だが
神様などいない
一連の会話は全て聞かれていた
(まだ仲良く結婚式の準備をしてるんだ?でも1番愛されてるのは私だよね?)
サユリの「1番」への執着は止まらない
「ねぇ コウジさん 今週の日曜も一緒にいてくれない?」
完璧な上目遣い 声のトーンもか弱く調節した
コウジは日曜か…と小さく呟く
しかしサユリにはお見通しだった
今のコウジは自分の誘いを絶対に断れないことを
「あぁ…流石に休日は無理ですよね…ワガママ言ってごめんなさい…」
遠慮ではなく勝利確定の言葉だった
案の定コウジはサユリの手を握り
「サユリといるよ」
と真っ直ぐに伝える
(ふふっ…!勝った…!!そりゃあの女に比べたら私の方が5億倍は魅力的だもんね〜!?)
そしてその日の夜も
レストランを通り過ぎて肉体の奴隷と化したコウジとその飼い主 サユリはネオン街へと足を踏み入れた
コメント
1件
みぅです🥀 7話、読みました。広子さんの幸せそうな笑顔と、それを陰から見つめるサユリの対比がゾクゾクしました…。「1番」にこだわる執着が、もう止まらなくて怖い。コウジさんも簡単に誘いに乗っちゃってて、もう戻れない感じが切ないです。次、日曜日どうなるんだろう…緊張しながら待ってます📖