この物語はフィクションです。
実在の人物、団体、事件等には一切関係ありません
目覚めは最悪だった。
ドアをこれでもかと言うくらいに叩く音で一気に意識が浮上したせいか、なかなか目が開ききらない。
なんとか立ち上がってみるも身体は重く、まるで僕の気持ちを表すかのようだった。
僕は近所迷惑なその音を響かせたまま、のろのろと玄関へと移動する。
「居るんだろ! 開けろよ!」
その声を聞く前から、予想はしていた。
正直、会いたくはない。
会えば昨日の僕の決心など吹き飛んで、無責任に高梨をこの怪異に巻き込むだろうから。
だが、同時に栗橋の言葉も頭をよぎった。
ふらふらとドアに取りついた僕の手は、僕の葛藤(かっとう)めいたものなど無視して鍵を開けていた。あっという間にクリーム色の扉は引き開けられ、僕はバランスを崩しかける。
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