テラーノベル
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テレビ局の楽屋。収録の合間の慌ただしい時間、部屋の隅にあるソファだけは、妙に甘い空気が流れていた。
桃「あべちゃぁぁん!見て見て、この動画超ウケる!」
緑「ん? なにそれ……って、佐久間、距離近いってば」
佐久間大介がスマホの画面を突き出しながら、阿部亮平の肩にぴったりと体を寄せてくる。
密着した太ももから佐久間の高い体温がダイレクトに伝わってきて、阿部は平静を装うのに必死だった。
佐久間のこの距離感は、メンバー全員に対する「いつものスキンシップ」だ。
そう自分に言い聞かせているけれど、男同士だし、ただのメンバーだし、意識しているのは自分だけ。
そう思うと、胸の奥がチリッと痛んだ。
そんな二人の様子を、少し離れたパイプ椅子からじっと眺めていた男がいた。
渡辺翔太だ。
青「おい」
翔太は気だるげに声をかけながら、二人の前に歩み寄ってくる。
青「お前らさ、いっつもいっつもベタベタして、見ててじれったいんだよ。早く付き合えよ」
…
緑「えっ……!?」
翔太のストレートすぎる言葉に、阿部の心臓がドクンと大きく跳ね上がる。
顔が急激に熱くなるのを感じて、阿部は慌てて俯いた。
しかし、隣の佐久間は違った。
いつもの軽い調子でニヤニヤしながら、阿部の顔を覗き込んできたのだ。
桃「ね、阿部ちゃん。試しに付き合ってみる?」
冗談めかした、いつも通りの明るい声。
(あぁ、やっぱり佐久間にとっては、これも全部ノリなんだな……)
阿部は胸の奥をギューッと雑に雑巾を絞るように痛めつけられた。でも、どうしても「嫌だ」とは言えなかった。
だって、ずっと、ずっと前から佐久間のことが好きだったから。
たとえ冗談でも、ノリでも、彼の「特別」になれるチャンスを逃したくなかった。
緑「……うん、いいよ。付き合ってみよっか」
阿部が無理に作った笑顔で答えると、今度は佐久間が一瞬だけ、信じられないものを見たように目を見開いた。
だけどすぐにいつもの爆発的な笑顔に戻って、桃「やったー!阿部ちゃんゲットー!」と腕に抱きついてくる。
こうして、二人の「お試し」の恋が始まった。阿部がどれほど本気で、どれほど臆病な気持ちでその手を握り返したのか、この時の佐久間はまだ知る由もなかった。
優希乃🌀⛄🌹🍏🍼😇
コメント
2件
あ、読み終わりました!めっちゃ良かったです…! 阿部くんの「ただのメンバーだし、意識してるのは自分だけ」って内心の諦めと切なさがひしひし伝わってきて、胸がギュッとなりました。 そんな中での渡辺くんのズバッと一言からの、佐久間くんの軽いノリの「試しに付き合ってみる?」。阿部くんがどれだけ本気でその手を握り返したかと思うと…続きが気になりすぎます!お試し期間、どうなっちゃうんでしょうね🤍