本社での激戦が続く中、鋼谷は霊一との対峙で圧倒的な力の差を痛感させられていた。霊一の異能「異能爪術」による強烈な一撃を受け、鋼谷の身体は無残にも地に伏せられ、血が床を濡らしていく。
「これが…俺の限界なのか…?」
鋼谷は息を荒げながら、全身に走る激痛と共に倒れていた。霊一の容赦ない攻撃に、鋼谷の意識は薄れかけていたが、過去に仲間と共に戦った記憶が脳裏をかすめ、消えかけた闘志が再び灯る。
「こんなところで…終わるわけにはいかない…」
だが、鋼谷の身体は限界に近づき、立ち上がることさえ困難になっていた。
「ふん、これで終わりか。情けないな、鋼谷」
霊一は冷たく笑いながら、倒れ込む鋼谷に容赦なく歩み寄る。その表情には、勝利を確信した冷酷な余裕が漂っていた。
「異能を持たない人間が、異能を持つ者に勝とうなどと思い上がりも甚だしい」
霊一はさらに追い打ちをかけるように、鋼谷に異能の一撃を見舞おうと手を振り上げる。その瞬間、鋼谷の体は生死の境目に立たされていた。
鋼谷の意識が暗闇に沈んでいく中、遠くから仲間たちの笑顔が浮かび上がる。過去に共に戦った仲間たち、そして彼が守ろうとした人々。その全てが、彼の胸に一抹の希望を灯していた。
「俺は…まだ…ここで…終われないんだ…」
かすかな声でそう呟くも、鋼谷の意識は次第に薄れ、絶望が彼を包み込もうとしていた。
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