テラーノベル
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【ななし】:【だいぶ毒舌で上から目線な女性。「この世界を終わらせる」為に動く。右肩を負傷し、ほわりに治療して貰った為右肩に包帯が巻かれてある。ほわりを攻撃した際に短剣を使った為、短剣を主に武器とするのであろう。両親を殺されたという深い過去を持つ。楽の国の住民である。】
【ほわり】:【優しく暇人の様な不思議な男性。ななしを治療した張本人。ななしの不意な攻撃を軽々と避ける実力者。】
楽の国・・・今現在は血の国化としている。人は誰1人居ない。
第3部
喜の国へ行(ゆ)きましょう
辺りに嫌悪な空気が漂う。当たり前の事だろう嫌な過去を聞いてしまったのだから。
「….なるほど….すみません。良くないものを聞きましたね。わざわざお話頂きありがとうございますね。」
そうほわりは俯きながら言う。自分が聞いた事を後悔しているように見える。
「本当よ。馬鹿じゃないの?やっぱりあんたって頭がお花畑なのね。話し始めたのは私だし….どうでも良いけど」
ななしは馬鹿にするようにそう言う。
「無の国….」
急にほわりがぽつりと小さな声で呟く。
「え?何?何か言ったかしら?声が小さすぎて聞こえなかったわ。何か用があるならハッキリと大きな声で言ってくれる?正直言って面倒臭いのよ」
ななしが言う。ほわりに飽き飽きし始めているのだろう。
「すみません。すみません。私が言ったのは無の国はじゃあなんでこんなに今荒れ果てているんでしょうねって言おうとしたんですよ」
ほわり達が立っている所が丁度無の国の中心部なのでほわりは周りを見渡しながら言った。嫌悪な雰囲気だった辺りが一気に無くなる。ほわりはさっきとは打って変わった優しい笑顔でななしを見た。
「何見てんのよ。きみが悪いわ。無の国ね….ふふっ。無の国に居たTOPの人が病死してから無の国は衰えて、それに追い討ちをかけるように怒の国と哀の国が喧嘩して戦場地化したから無の国は滅びてしまったのよ。いいきみね」
長々とななしはそう語る。ふふっと微笑みながら嬉しそうに話した。1番恨みどころがある国が滅びたのならそう嬉しくなるだろう。
「とりあえずはまず、喜の国を潰しに行くの。邪魔しないでくれる?あんたがどこの国の人か何者か知らないけど結局はこの世界を終わらせる際に殺すことになるんだし….今回は見逃してあげるわよ。さっさとどっか行きなさいよ。これ以上時間を潰したくないのよ」
いつも以上にななしは長々と語る。見逃してあげる….思ったより寛大な人らしい。結局殺す事には変わり無いそうだが….。
「あぁ….そうなんですか。ふふ….じゃあ私も同行してもよろしいでしょうか?」
ほわりは言う。さっきの優しい笑みとは打って変わって不敵な笑みを浮かべた。コロコロ表情が変わる人だ。正直何を考えているのかわからなくなるだろう。
「何笑ってるのよ。いつにも増して気持ち悪いわよ。まぁ良いわよ。邪魔しないならね….邪魔するならすぐ殺すから。後それに結局この世界を終わらせる際に殺すから。それを分かった上で着いてきなさいよ?」
ななしは言う。殺す殺すと物騒な奴だ。
「はいはい。どうせ敵わないでしょうけど….分かりましたよ」
ほわりは言う。それはそうだろう。だってななしの不意な攻撃をすんなりと避けるほどの実力はあるのだから簡単には殺されないだろう。それかただ単にななしが弱いだけなのか….。
「何を….!うるさいわね!その気になればあんたなんてすぐ殺せるんだからね。あんた頭がお花畑なんだから….。あんまりみくびるんじゃないわよ」
そう怒ったように切れ気味でななしは話す。相当自分の実力に誇りがあるみたいだ。
「はいそうですね。そろそろ行きますよ。時間を無駄に潰したくないんでしょう?」
ほわりは右から左へと受け流すようにそう言う。そして勢いよくななしを引っ張る。
「ちょ….ちょっと!引っ張らないでよ….!」
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