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【ななし】:【だいぶ毒舌で上から目線な女性。「この世界を終わらせる」為に動く。右肩を負傷し、ほわりに治療して貰った為右肩に包帯が巻かれてある。ほわりを攻撃した際に短剣を使った為、短剣を主に武器とするのであろう。両親を殺されたという深い過去を持つ。楽の国の住民である。自分の実力に誇りを持っている】
【ほわり】:【優しく暇人の様な不思議な男性。ななしを治療した張本人。ななしの不意な攻撃を軽々と避ける実力者。ななしの世界を終わらせる旅に同行する。何を考えているか読めないところが多数ある】
楽の国・・・今現在は血の国化としている。人は誰1人居ない。無の国を中心に喜の国・怒の国・哀の国によって滅んだ。
無の国・・・今現在は忘れ去られた国となっている。無の国のTOPの人物が病死してから怒の国と哀の国の喧嘩が悪化し、戦場地化した為滅んだ。
第4部
喜の国のお偉い様
ななしとほわりが無の国から喜の国へ向けて歩き始めてから数日が過ぎた頃。特に何も起こらずに喜の国へと到着していた。
「着きましたね〜。それにしてもやっぱり相変わらず大きくて発展してますね。それに人々が喜んでる気がします」
ほわりは言う。やっぱりと言うからには1度喜の国に来た事があるのだろう。そう思ったななしはほわりに質問をした。
「ねぇ….やっぱりって言うからには喜の国に行った事があるのかしら?」
「….えぇそうですね。昔兄に連れて行ってもらいました。その時も今のように大きくて発展してましたよ。まぁ今はそれ以上に発展しているような気もしますが….」
ほわりは言う。ほわりに兄が居たとは驚きの事実である。ななしとの会話的に下の子をまとめるリーダー的な存在だったので兄弟が居ない….もしくは年下の兄弟が居るかの2択だと思っていた。
「ふ〜ん。あんた兄様が居たのね初耳だわ。まぁ話してないから当たり前の事でしょうけど。喜の国に到着….長かったわね正直とても疲れたわ。それに、ここの住民いつも喜んでてきみが悪いのよね。まぁ喜の国とか言うもんだから当たり前なのだろうけど….だからこそ我が母国….楽の国と分かち合えてたんでしょうけど」
長々と昔の事を2人は語り合いながら喜の国へと入って行く。そしてななしはそこで驚きの事実を知る。
「あっえっ案外許可証とか必要無いのねスルッと入れたわ。ここで手こずるかと思っていたのだけれど予想外ね….まぁ楽に越したことは無いわね」
ななしは言う。相当驚いたのだろうか….普段冷静なななしが戸惑いを見せた。
「そうですね。争いが無いのですし喜の国と言う事もあって私達….他所者の来客を不審に思うのでは無く、むしろ歓迎して喜んでいる様だと思いますよ。….もし手こずったらどうするつもりだったんですか?」
ほわりはななしが納得するように解説・説明をした後にななしに聞いた。帰ってきた回答は….。
「そんなの決まってるじゃない正面突破よ。こうしゅっしゅって」
ななしは身振り手振りをして元気良く答える。流石ななしと言ったところだろうか….脳筋だ。
「良くないですね….それで反撃を貰って世界を終わらせると言う目標を終える前に死んでも意味ありませんよ?」
呆れた顔でほわりはそう言う。いつもの事だ。
「それは置いておいて….で、喜の国をまず崩壊させるとは言ったものの….どうしようかしら。全く持ってノープランよ何かあんた良い案は無いのかしら?」
ななしは言う。またほわりは呆れた顔をする。
「ノープランだったんですか….まぁ貴方の事を考えると妥当ですかね….さて、どうしましょうかね」
ほわりは珍しく顎に手を置き、下に俯き深く考える。ななしが全て考えていると思っていたのだろう。
「何かとても大きい戦車とかあったら良いのに。それなら楽だったでしょうね」
ななしはそう言う。都合の良い事だと重々自覚しながらもしそうなったら良いなという期待の気持ちを込めながら。
「そんな都合の良い事ありますかね?」
ほわりも言う。やはり都合の良い事だと2人共自覚しているようだ。
しばらく2人が悩んでいると噴水が見える広場で何かざわついた声が聞こえてきた。
そこにななしとほわりは向かう。何か良い情報が手に入ると思ったからだ。
「なぁ知ってるか?最近ここらへんに戦車が埋まってたらしいぞ。昔のあの楽の国の争いの時に使った物なのかなぁ?でも、戦車なんて我が国の戦力になるな。必要な時に備えれると言うのはとても嬉しいことだ」
「そうね。いつ何が起きてもおかしくないと思うしね。それなら嬉しいことね」
「実は….噂に聞いた話なんですが近くの基地に納められるらしいですよ?基地って軍人様がいるところだし….それならいざ困った時にすぐ軍人様が動いてくれるでしょうね」
「そうでしょうね。本当にありがたい事になりましたね」
そう言った1連の会話が自然と2人の耳へ入ってくる。
「ねぇ?あんた聞いた?前言撤回よこんな都合の良い事あるみたいね。そうとなれば早く基地へ急がないとね」
気分がとても良いのであろう。スキップしながらそうななしは言う。
「スキップするほど気分が良い中とても悲しいお知らせがあります。基地には軍人が居ると言う事をしっかり聞きましたか?それに基地がまだ何処にあるのかも分かりませんよね?私が前兄と来た時に基地も見たので案内は出来ますが….それに普通に真正面から強行突破するにしても反抗されるに決まってますよ」
冷静な顔でほわりは言う。その通りだろう。いくら強いからと言っても複数人居るかも知らない戦地の場に強行突破するなんて脳筋の考える事だ。まさしく飛んで火に入る夏の虫だろう。ななしの軽快なステップがピタッと止まった。
「確かに….その通りね….計算ミスだったわ。じゃあどうするのよ?」
ななしは言う。
「そうですね….まずは基地の全体図を手に入れたいですね。そうしたら基地の裏口を探してそこから奇襲ですかね。裏口と言えど沢山ありそうなので敵が少なそうな….それに戦車により近い裏口の方がベストですかね」
ほわりはななしにそう説明をする。流石ほわりだ。一瞬にして次の作戦・行動を的確に決めてしまった。
「なるほどなるほど….全体図….ね。それなら役所に行って貰いましょう。疑われないと良いけど….」
ななしはそう言う。珍しく慎重そうな考え方をしている。
「そうですね」
ほわりは言う。そして2人は役所へと歩き出す。ほわりが役所への場所を知っていたみたいでどうやら案内してくれるらしい。
しばらく歩いてから….大きな建物が見えてきた。まるでななしとほわりの2人を歓迎するかのように大きく聳え立っていた。
「大きい….思ってた以上だわ….」
ななしはそう言う。驚きのあまりななしは少し後退りをする。
「さて….早く入りましょう」
ほわりはそう言ってななしの手を取る。そして2人は受付のような場所に来た。
「お2人様ですね。今回は何用でしょうか?」
受付の女性が言う。
「実は基地の全体図が欲しくて….役所に行けばあるかと思って拝見させて頂きました」
ほわりはそう言う。いつもより丁寧な口調でほわりは話した。その後ろでななしはじっと受付の女性を見て、その様子を見る。
「もしかして関係者の方でしょうか?最近あの方も関わって戦車について何か計画を進めているみたいですし….」
受付の女性は質問気味にそう言った。
「ちょっちょっと….!何とかしてくれるでしょうね?早速疑われてるじゃないの….!」
ななしはとても小さな声でほわりに言った。
「勿論ですとも。これぐらいどうもしませんよ。貴方こそ後ろでうるさくしてるとそれこそ疑われますよ」
ほわりもとても小さな声でななしに言う。ななしは理解したように下に俯き、物音一切立たずにじっとしていた。
「はいそうです。あの方にお呼ばれして他の国から戦車の鑑定を任されましたほわりと申します。急に訪問してしまって申し訳ないです」
ほわりは言う。あの方とは誰か全く分かってもいない癖に嘘が上手い奴だ。
「そうだったのですね!大変失礼致しました。でしたら少しお待ちください….どうぞこれを….!基地の全体図となります」
そう言って受付の女性はほわりに基地の全体図を渡した。全く….嘘に騙されてここまでしてくれるなんてこの国は呑気すぎる。もっと警戒心を持って欲しい。
「ありがとうございますとても助かりますではこれにて失礼致します」
ほわりはそう言う。そう言ってななしを連れて2人は役所の外へと出て行く。今回ななしは何もしていなかった。今回以外にもななしが活躍している所はあったのだろうか….それは触れないでおこう。
「無事全体図を手に入れましたね。裏口….は四箇所あるみたいです。戦車の位置は….二箇所目の裏口に1番近いですね….それでは行きますよ」
そう言ってほわりはななしを率いる。そして基地の近くへと歩く。
しばらく経つと基地が見えて来た。さっきの役所と比べ物にならないほどとても壮大だった。
「….ここから入りますよ。ゆっくり慎重に入って下さいよ?そして戦車に近づいてそのまま乗り込んで奪えばパーフェクトです。なるべく敵に見つかって邪魔されると困るので邪魔者を見つけたら即排除で構いませんよ」
ほわりはななしに向けてそう言う。
「分かったわ」
ななしは言う。ほわりとななしが歩いて戦車までもう1歩だという直前だったその時。
「….?あれ….ごめんなさい….ん〜?貴方達誰ですか?貴方達の様な人此処に呼んだ覚え無いんですが….迷子ですかね?」
綺麗な赤い髪をした少年はそう言った。まるでその髪は血に染められたかの様な色をしていた。そして背中の腰辺りには小さなバッグを背負っている。
「チッ….早速ですか」
珍しくほわりが怪訝な態度を取り舌打ちをする。それに赤い髪をした少年が勘づく。
「はぁ….「チッ」とは何ですか?こっちの台詞だと思うんですけど….急に入り込んで来て迷子かな?と思いましたが違う様ですね。どうやら痛い目に合わされたいんですか?大人しくしとけば良かったものの….」
赤い髪の少年は嫌々そう言う。
「ねぇ….あんた言ったわよね?邪魔者を見つけたら即排除で構わないって。言ったわよね?ね?ね?ね?」
ななしはそう言ってほわりに圧をかける。どうやら久しぶりの戦闘に内心ワクワクしているみたいだ。そしてほわりが返事をする間も無くななしは邪魔者….赤い髪の少年の後ろに周り攻撃を仕掛ける。ほわりと最初に出会った時と同じの様だ。ななしはこう言う奇襲の様な戦闘を得意とするのであろう。
「ちょっと辞めて下さいよ。急に現れて急に攻撃を仕掛けるなんて可哀想だとは思わないんですか?まぁ….貴方達の様な人思う訳無いでしょうが….」
ななしの攻撃を武器無しの右手で受け止め、赤い髪の少年は言う。
「えっ….ッッ重….」
ななしは言う。当たり前だろう武器無しの右手で受け止められたら驚く事だろう。
「そりゃ重いですよ….なんてったって僕この国….喜の国のTOPなんですから。申し遅れました僕ろーぶって言います。敵さんに名乗る必要な無いかもですがよろしくお願いしますね」
呑気にろーぶは言う。にっこりと微笑みながら言うその姿は余裕があるようだった。全く….この世界の連中はきみが悪い。
「面倒ですね….予想外でしたあの方とはやはり貴方でしたか。ななしさん下がっていて下さい厄介ですよ。下手したらすぐ死にます」
とても怖い表情でほわりはそう言う。余程この状況がとても良くない状況下にある事を理解しているようだ。
「何が面倒なの?」
ななしは無邪気にそう聞いた。
「それぞれの国にTOPと言う存在が居るのはななしさんもご存知の事かと思います。そしてそのそれぞれの国のTOPには生まれつき代々受け継がれている能力の様な物があります。
それがこの国….喜の国のTOP….ろーぶは自身の肉体強化を得意能力とし、体術で攻撃を仕掛けて来ます。なので最悪….肉体強化が上限になっていた際などにもろに喰らうと死にますよ」
ほわりはそう語る。本当に大変なとても厄介な状態になったみたいだ。ほわりの顔が睨む様な嫌な顔になっている。
「だからさっきあんなに重かったのね」
ななしは納得した様にそう言う。
「僕の事忘れてますか?のろのろと話してていいんですか?話終わるまで待ってあげましたけど….油断したら後ろに回られて攻撃されると言うのを忘れないでくださいね」
そう言ってろーぶはななしの後ろにスッと回り込み蹴りを入れようとした。
ななしの瞳の中にろーぶの足が映った。